STEP3地域にとけこもう
住民同士のつながりや助け合いのきずなの強さは地方の魅力。移住したら、まずは輪のなかに入れてもらおう。地域の人と仲よくなれば百人力だ!
POINT 1
だれに会っても挨拶を!
だれにあっても挨拶するのは、地域にとけこむために一番大事なこと。田舎の場合、区や班と呼ばれる数十世帯の地域や集落ごとで共同作業やゴミの当番、回覧板の巡回などが行われる。田舎にはそうした活動を先頭に立ってまとめる人や首長がいるので、移住したらまずはその人に挨拶に行こう。首長は代々そこに暮らす地主さんなどの有識者である場合が多いが、共同作業や集会などを仕切るリーダーを持ちまわりで行っている場合もある。だれに挨拶をしておいたほうがいいかは、近所の人に聞けば教えてくれるはずだ。
POINT 2
地域行事は積極的に参加
地域の決めごとを話し合う集会や景観を美しく保つための清掃は、そこに住む人たちが協力して実施する行事。移住者にとってはどうしたらいいかわからないことも多いが、移住してしまえば、その地域の一員。積極的に参加しよう。参加すれば、その人が地域にどれだけ思い入れを持っているかのアピールになる。田舎では冠婚葬祭も業者に委託せず、地域の人たちで役割を分担することが多い。食事の用意や誘導などお願いされたら手伝うのが住民としてのつとめと心えよう。
POINT 3
おすそ分け精神は大切
畑で採れた野菜をはじめ、山菜やタケノコなど、地方で生活していると近所からいろいろとおすそ分けが多い。手渡されたものを過剰に遠慮したり、いらないと言ってことわるようなことはせず、気持ちよくもらっておこう。そして、何かもらったら必ずお返しをすること。地域によってはそういうやりとりにルールがある場合もあるので、わからないことは本人以外のだれかに聞いて確認しておくといい。力仕事などももちつもたれつで住民どうし助け合う。気持ちのやりとりが大切だ。
POINT 4
青年団、消防団に入る
青年団は若い人たちが中心になった地域のなんでも屋。消防団も似たようなものだが、名前の通り火事の際の救援消火活動を目的に結成されている。実際に訓練もするし、消防車を所有している地域もある。定期的に会合があるので、忙しい人はそれを煩わしく思うかもしれないが、行事と同じように地域に対する姿勢を問われるところ。高齢者が多い田舎では、若い移住者は住民にも期待されている。これからその地域を担っていくうえでも、青年団や消防団には誘われたら入っておこう。
先輩の体験談田舎で30代は、若造。知らないことは、まず聞こう!はじめて、南信州を訪れたのは、自然エネルギーのコンサルティング会社の研修生時代。二度目は、同じ会社の森林調査で1年間、阿智村に通いました。東京育ちの私にとって、南信州はとても魅力的でした。現地の人と交流を重ねるうちに、いつしか、山仕事を夢みるようになり、昨年、地域おこし協力隊として移住を決行。現在は、林業と自然ガイドの仕事をしています。私のような30代は、都会の企業の感覚でいうと中堅ですが、80代が現役の村では、まだまだ若造です。はやく一人前になりたい気持ちもありますが、まずは地域の大先輩たちから生活の術や山仕事などをじっくり伝授してもらいながら日々精進です。格好をつけずに、わからないことは先輩に聞く。それが、地域へスムーズに溶けこむコツです。