STEP2家を探そう
移住地が決まったら次はそこで暮らすための物件探し。格安の空き家を手に入れて、DIY で修復しながら暮らすというのもおもしろそう。
POINT 1
インターネットや空き家バンクを活用しよう!
古民家など中古物件を探す場合、まずは雑誌やインターネットの情報を参考に、その地域における価格の目安を知っておこう。物件の程度や土地の広さなどによっても異なるので、安いというだけで飛びつかず暮らしのイメージに合うかどうかよく検討すること。不動産業者が扱っている物件以外では、自治体が移住者向けの物件情報を収集・蓄積した空き家バンクも利用できる。自治体職員が直接住民から情報を得て希望者に斡旋しているので、地域の理解も得やすい。
POINT 2
物件の補修費用も忘れずに
安価な中古物件は、基本的に補修が必須と考えておいたほうがいい。下水が整備されていない場合も多く、汲み取り式トイレもフツウだ。水洗化に浄化槽などの排水設備をきちんと整えるとなると100 ~ 200万円はかかる。何年も人が住んでいなかった空き家では土台が腐っていたり、床が抜けていたり、雨漏りしていたりして、場合によっては補修費用が新築より高くなることもある。中古物件の傷み具合は素人ではわかりにくいことも多いので、できれば業者に見てもらうといいだろう。
POINT 3
お金があれば新築もあり!
移住地の住まいには、新築、中古住宅の購入、または賃貸というケースが考えられる。ログハウスのような特定の住宅を求めていたり、「これだ!」というような気に行った土地が見つかって、資金があれば新築というケースもあるが、地方では空き家が多いこともあり、中古物件を比較的安価な家賃で借りる人が多い。修復が必要なことも少なくないが、重厚な古民家などは地方だからこそ、入居できる物件だろう。住宅の取得や空き家の改修費用の一部を補助してくれる自治体もある。
POINT 4
定住促進住宅も活用しよう
移住者向けの定住促進住宅を整備している自治体もある。アパートタイプの集合住宅や小さな一軒家、改修した空き家、公民宿舎を利用した部屋の賃貸などさまざまな形態がある。入居には10年以上の定住や地域活性化への貢献など条件が設けられている場合もある。家賃は2~5万円程度。中古物件のように補修の必要はないので余計な費用はかからない。地域になじむうえでも、最初は定住促進住宅を利用して、その間にゆっくりと物件を探すのもいいかもしれない。
POINT 5
地元の人が空き家を紹介してくれることも
「空き家を貸したくても、貸す人がどんな人かわからないから不安」というのが所有者の本音だろう。先祖代々の土地だからとか、普段は住んでいなくても年に数回地方に帰ってくるからという理由で貸しにくいという所有者も多い。ただ、なかには、きちんと管理してくれるなら貸したいと思っている人も多く、しばらくその地域に住んで地元の信頼を得られるようになると、一般の物件情報には出ない空き家を紹介してもらえることがある。
先輩の体験談古民家は旧車のようなもの。維持費もちゃんと考えよう。小学生の頃の山村留学をきっかけに、小谷村に2009年にIターンしました。いま住んでいる古民家は、2階が居住スペースで1階はゲストハウスになっています。ほぼ直感で決めた物件でしたが、住みはじめて半年くらいは、前の人が残した荷物や朽ちた建材などの片づけの日々。最初の改修が済んでも、つねにどこかしらにガタがくるので、壊れては直しの繰りかえしです。古民家は旧車のようなもの。維持費もちゃんと考えよう。うちの場合、屋根の塗り替えだけでも、100万円くらいかかるかも。改修するにしても、古民家のもつ味わいを維持しなくてはいけない。これがまた大変なんです。とくに、宿泊施設や飲食店などの場合は、雰囲気や居心地のよさが重要ですからね。そういう意味では、旧車のオーナーみたいなものです(笑)。古民家に住むなら、ランニングコストもしっかり考えましょう!