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地方創生による「花のまち柴田」のブランド化

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年4月6日

地方創生による「花のまち柴田」のブランド化

宮城県柴田町長 顔写真宮城県柴田町長 滝口 茂

桜の花が咲く4月は、一年で一番柴田町が輝く季節です。

白石川堤には、樹齢100年の染井吉野が1,210本、8kmにわたって続いています。また、昭和45年NHK大河ドラマ「樅の木は残った」で有名となった船岡城址公園には、1,300本の桜が見事に咲き誇ります。

平成27年3月に完成した、白石川堤一目千本桜と船岡城址公園を結ぶ「しばた千桜橋」から白石川一目千本桜越しに眺める、残雪をいだいた蔵王連邦は、まさに絶景です。

この桜並木は、大正時代に、先人たちが「郷土に何か誇りになるものを後世に残したい」と植栽したものです。その後、柴田町さくらの会の人たちが守り育ててきた結果、今、町のシンボルになっています。

さて、柴田町は、仙台市から南に電車で30分、人口3万8,000人余りの、東北では一番大きな町です。

今日のような発展を見たのは、戦前に第一海軍火薬廠があり、戦後は陸上自衛隊船岡駐屯地が置かれたこともあって、全国から人が集まってきたことや、さらに、高度経済成長期を迎える頃には、積極的な工場誘致が行われ、また、仙台大学が開設されたこと等、いわゆる外発型の地域振興が功を奏し、人口増につながってきた経緯があります。

しかし、バブル崩壊後には、経済のグローバル化や産業構造の変化による国内工場の海外への移転や集約化が進み、誘致した企業の空洞化は地方への新たな問題となってきました。そのため、平成14年に首長に就任して以来、今後の町の発展については、「企業誘致ばかりではなく、それ以上に、地域資源を活用し、柴田町の魅力を高めていったほうが多くの人を町中に呼び込み、町を活性化できる」と訴えてきました。その基本戦略として掲げたのが「花のまち柴田」のブランド化による観光まちづくりでした。

現在、「柴田町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、新たな人の流れや仕事おこしを通じて「つながり人口」を増やす「花のまち柴田にぎわい創出ステップアップ事業」が地域再生計画として認定され、積極的に推進しているところです。

昨年は、外国人を含む24万6千人余りの観光客に、桜の景観と東北の伝統文化を堪能していただきました。

今年は、台湾からの外国人観光客の誘致に向けて、宮城県や宮城インバウンドDMOと連携しながら、積極的なプロモーション活動を展開しています。また、小中学生には、ふる里の桜について、「放課後英語楽交」で勉強したことを、お花見の時に英語ボランティアとして実践してもらうことにしています。多くの外国人観光客にとって、桜一色に染まった柴田町が思い出に残る観光地となるよう、町民挙げておもてなしをして参ります。

このような、町独自の政策が展開できるのも、その下支えとして地方創生交付金事業があるからです。地方創生交付金事業については、「国からの押し付け」「補助金のばら撒き」といった指摘が絶えません。しかし、自主財源の乏しい柴田町にとっては、おおむね全額、国の支援が受けられる地方創生交付金事業は大変ありがたく、その獲得に向けては、大いに挑戦する価値があると思っています。

また、地方からの提案に対する国の事前相談についても、「国の政策への誘導」とネガティブに取られかねませんが、私たちとしては、政策力のブラッシュアップには良い機会と、ポジティブに捉えています。これまでも、国の補助金の切れ目が地域振興の切れ目となってきたことは、十分に体感していますので、「国から補助金をもらう」という感覚ではなく、「国の補助金はしたたかに活用させていただく」といったスタンスで、「花のまち柴田」の魅力度や知名度をアップし、地域力の向上につなげていきたいと考えています。

国には、今後も地方創生交付金事業を継続し、真に地方が考える地域振興策を応援してほしいと思っています。