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挑戦

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年8月28日

愛知県豊根村長  伊藤 実

 

愛知県内に村は飛島村と豊根村の2村、そのうちの一つ豊根村は、県の東北端に位置し、北は長野県、東は天竜川を境に静岡県に接しており、中部山岳地帯赤石山系の南端に位置し、総面積155.88平方キロメートルのうち93%を山林で占めております。

近年、東海環状自動車道や新東名高速道、三遠南信自動車道の整備が進み、都市圏への時間距離は大幅に短縮され、名古屋市や豊橋市、また静岡県浜松市までは90分、長野県飯田市までは60分の位置関係となりました。

かつては林業で栄えてきた村ですが、昭和28年の佐久間ダムや昭和48年の新豊根ダムの建設により集落が水没した世帯のほとんどが離村し、急激な人口減少への引き金となりました。

昭和44年に愛知県最高峰の茶臼山高原を中心として「天竜奥三河国定公園」に指定されたことを機に、観光と交流を目指して村づくりに取り組んできました。

これまでに愛知県唯一のスキー場の建設や温泉施設・芝桜園地等を整備し、今では1,200人の村に年間を通して78万人の観光交流人口を数える様になりました。

第5次総合計画において、高齢化を支える「現役世代の積極的な支援」、主産業だった林業に代わる産業として「観光と交流による地域づくり」、そして住民主体の地域づくりとして「特色ある地域づくりへの積極支援」を柱とし、地方創生を積極的に取り入れ将来に繋げる村づくりに取り組んでおります。

現役世代支援では「出会い」「結婚」「出産」「修学」「就職」「定年」そして「老後」迄を共に考え必要な支援策を行って、ここに住んで良かったと思える村を目指しております。

観光面では、平成26年に観光交流人口100万人を目指すアクションプランを作成し「閑散期をなくしていく」「もう一カ所寄ってもらおう」「沢山の人が集まる新しい魅力を作っていく」ことを目指して村民皆で考えた20のプランに挑戦をしております。

地域づくり支援では、地域が施設等の維持管理や補修を実施する場合の支援「地域協働支援事業補助金」、行政主導でなく地域の自主的な活動等自由裁量で活用できる「地域づくり支援交付金」や、新しい産業や取組に向けて起業を目指す為の「起業家支援補助金」により地域の元気を応援し、地域のことは地域で考え、地域で決めることができる体制づくりにも取り組んでいるところです。

こうした取組によって住民一人ひとりが元気になることが地域の元気に、そして村全体の元気に繋がるいわば地方創生の地域版でもあります。

現在も少子高齢化には歯止めがかからない状況が続いておりますが、今進めております「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を確実に進めることによって地域が変わり、将来の姿を皆で共有できる風土になりつつあります。

また、山間地域にある豊根村は豊富な水に恵まれており、従来の農業振興対策、林業振興対策に加えて水産振興にも取り組み、清流やダム湖を利用した漁業から育てる漁業を目指し、アマゴやイワナの養殖に加えてチョウザメやヒメマス、子持ち鮎の養殖の取組も始めました。

養殖技術や加工と言った面では、東海大学海洋学部の水産学科と連携するほか、低温プラズマ技術を活用した養殖改善や、高度化については名古屋大学と連携し新しい産業を目指しております。

常に今より一歩前に進むことと、あらゆる要因、素材を取り込んだ地域づくりを進め、将来にわたって「小さく持続する村」を目指して参ります。

機会が御座いましたら是非一度お立ち寄り頂きたいと存じます。