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梅を軸としたまちづくり

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年3月27日

梅を軸としたまちづくり

和歌山県みなべ町長 小谷 芳正

平成16年10月1日に「南部町」と「南部川村」が合併し誕生したみなべ町は、和歌山県のほぼ中央に位置し、総面積は120.28㎢、和歌山県全体の約2.5%を占めています。その約68%の81.91㎢が林野面積です。東西に流れる南部川流域には丘陵地が広がっており、低地あり、山間地域ありとバラエティに富んだ地勢です。丘陵地には日本一のブランドを誇る「南高梅」の梅林が広がり、山間部は森林、渓谷などの自然資源に恵まれています。また、炭の最高級品である「紀州備長炭」の生産も盛んで、備長炭の里としても有名です。南北には紀伊水道を臨む海岸線が伸びており、黒潮洗う海岸線は風光明媚な景観を誇っています。

町内の交通網には、南北に走る国道42号、東西に走る国道424号、JR紀勢本線(岩代駅・南部駅)があり、高速道路・阪和自動車道のみなべICがあります。

私自身、和歌山県のみなべ町といえば梅を連想していただける方も多いのではと感じているのですが、本町は梅の生産量が日本一、また梅の最高級品である南高梅の誕生の地でもあります。現在では、南高梅がみなべ町で栽培される梅の8割を占めるまでになっています。毎年梅の花が咲き始める1月下旬から3月上旬には、町内外から大勢の観光客が訪れるため、町内ではこの時期に合わせて様々なイベントが行われます。今年で2回目となる「UME-1グルメ甲子園」では、地元高校を始め全国の高校生が考案した梅料理のコンテストが開催され、来場者にも販売されます。私も審査員として参加させていただくのですが、高校生のオリジナリティ溢れる梅料理には、更なる梅の可能性を感じ、高校生の豊かな感性には驚かされるばかりです。ぜひ、観梅と合わせて町内で開催されるイベントにも大勢の方に足を運んでいただきたいと考えています。

平成27年12月に、400年にわたり地元の人々に受け継がれてきた里山の斜面を利用した農法が「みなべ・田辺の梅システム」として世界農業遺産に認定されました。これを契機に、みなべ町では梅産業の発展のため各種施策に取り組んでいます。

まず一つに、世界農業遺産認定活用事業として、「みなべ・田辺の梅システム」をもっと大勢の方に知っていただくための取組やシステムの保全と活用を進めています。昨年9月に東京ビッグサイトで開催された「ツーリズムEXPOジャパン2016」や、11月に東京スカイツリータウンのソラマチひろばで開催した「うめぇ!うめまつり」において、「みなべ・田辺の梅システム」のPRを行いました。梅システムの紹介はもちろん、地域の学生が作ったみなべ・田辺地域の自然体験ツアーを紹介する場を設けるなど、梅の生産、製造地域としてしか捉えられていなかった梅産業の観光や文化的な価値にも着目し、現在未開発となっている自然体験観光資源を体系化し、情報発信することで、世界農業遺産のもつ観光ポテンシャルを高め、観光訪問客など交流人口の増加を目指しています。

続いて、みなべ町の梅プロモーション事業です。梅加工品の国内市場は食生活の洋風化や少子高齢化の影響などにより長期低落傾向が続いています。これに歯止めをかけるため、「美容と健康に」をキャッチフレーズに梅の機能性を活用し、梅加工品の国内市場への広報活動やプロモーション施策を実施しています。また、海外市場への販路拡大に向けて梅文化を共有する中国や台湾市場に対して市場調査も行っております。

本格的に各自治体で地方創生が進められている現在、みなべ町も特色ある取組で町全体を活気づけていかなければなりません。そのためにも、みなべの梅の魅力を国内外へ発信し大勢の人にみなべ町を知ってもらうことが梅産業の活性化、梅の消費拡大に繋がると考えます。そして、将来のみなべ町を担う子どもたちが安心して暮らせる町、また、住んでよかったと思える町を目指して地域振興に取り組んでまいります。