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「魅力と笑顔にあふれ、未来に躍進するまち」をめざして

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年3月13日

石川県志賀町長 小泉 勝

 

志賀町は、平成17年9月、旧志賀町と富来町の合併により誕生した人口約2万人の町です。能登半島中央部に位置し、東西12.7㎞、南北31.0㎞、総面積が246.7676㎢あります。

世界農業遺産にも認定された豊かな自然に恵まれ、奇岩・怪石や白砂青松の海岸線は、能登半島国定公園の一部で能登金剛と称される、能登を代表する美しい景勝地となっています。

夏から秋にかけては、町内のいたるところで祭りが行われ、堀松の綱引き祭り、数十基のキリコが繰り出す冨木八朔祭礼、県内で最も古い歴史を持つ太鼓打競技大会などの伝統行事や獅子舞、太鼓が伝承されています。平成27年4月には、文化庁が認定する日本遺産に「能登のキリコ祭り」が選ばれました。

町の中央部のなだらかな丘陵地には、能登最大のリゾート地「志賀の郷リゾート」があり、ゴルフ場やホテルのほか、陸上競技場や体育館、野球場、テニスコート等の体育施設が揃い、リゾート内には、別荘、ペンションなど約500棟の建物が建ち並び、現在、約160世帯が定住されています。

このような豊かな文化、歴史的遺産や自然景観などの地域資源を活かしながら、交流人口の拡大や移住・定住の促進など、活力あるまちづくりに向けて取り組んでいます。

町の人口は、合併当時の平成17年国勢調査では23,790人でしたが、平成27年国調では20,422人となり、この10年間で3,368人、約15%減少しています。県内では、特に能登地域の落ち込みが目立っており、能登の自治体にとって、人口減少対策は喫緊の課題であることが改めて浮き彫りとなりました。

人口減少対策としては、第一に若者が定住できる環境を整備していく必要があると考えており、町では、特に町外から若い世代の移住・定住を図るため、平成27年12月から、定住促進住宅地みらいとうぶ32区画の分譲を開始しています。

公園や道路など周辺居住環境の整備を図り、県内随一の手厚い助成制度を設けたことから順調に分譲が進み、町外の方からも12件の申し込みをいただき、残すところ2区画となりました。今後も需要が見込めることから、今年、新たに31区画の宅地造成に取り掛かることとしています。

また、若者の定住を図るためには、当然のことながら、雇用の場の確保が必要となります。町内には能登中核工業団地や堀松工場団地があり、現在、約1,900人の雇用を創出するなど、能登地域の若者の流出に歯止めがかかると期待しています。

県・町が積極的に企業誘致に努めてきたことから、近年、能登中核工業団地への新規立地が相次ぎ、団地内の企業数は過去最高の32社となり、今年1月にも新たな進出表明があったところです。本町においても、人口減少による人出不足感が強まっている中、情報提供やきめ細かいサポートに努め、働き手の確保と移住・定住の促進につなげていきたいと考えています。

平成27年春に、北陸新幹線が金沢まで開業し、多くの観光客が県内各地を訪れるようになりました。町では、一人でも多くの観光客を呼び込むため、イベントの開催や観光地としての魅力を高めるための施設、受入体制の整備など、町の魅力の向上、発信に取り組んできました。

そうした取組の一つに、町の特産品としてふさわしい地場産品の品質の改善と販路拡大に資するため、優良特産品推奨事業を実施しています。

この事業は、優良特産品を推奨し、その優良特産品に特産品表示を行うことにより、農林水産業、商工業、観光事業の振興と発展につなげていこうとするものです。現在、海・山の幸や町で親しまれている伝統的なお菓子、桜貝を使った工芸品など62品を認定し、ふるさと納税の返礼品として活用するとともに、町外・県外に向けて、広くPRしているところです。

昨年10月には、優良特産品のころ柿が、「能登志賀ころ柿」の名称で、農林水産省が食品などをブランドとして保護する地理的表示保護制度、いわゆるGIに登録されるという、嬉しいニュースがありました。

こうした志賀町ブランドの特産品を、全国に広く発信することで、町の認知度・魅力の向上を図り、更なる産業振興とふるさと納税の利用拡大につなげていきます。

ほかにも、毎年2月11日に、町の食の魅力をPRする「大漁起舟祭」を開催しており、昨年は初めて、増穂浦海岸の世界一長いベンチ周辺を会場に、イルミネーションイベントを開催しました。

地方創生が叫ばれる中、これらの様々な事業を通して、志賀町の里山里海の幸、能登を代表する景勝地や伝統芸能・文化などの地域資源を町の魅力として発信し、交流人口の拡大、移住・定住の促進など、町の振興につなげていきたいと考えています。