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自然や人が元気で子育てに優しい町みまた

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年1月16日

宮崎県三股町長 木佐貫 辰生

 

1.はじめに

毎回、この随想を目にするたび、いつ依頼がくるかとドキドキしていました。元来、筆不精な私ですが、町のPR手段として活用させていただこうと決めました。随想ということから、最近の出来事の感想をまじえ町の現状を伝えることとします。

本町は、宮崎県の南西部に位置し、ハートの形をした110・02?の町で、子育てに優しく、商業施設や医療機関・福祉施設に恵まれています。また、高速道路などへの交通アクセスも良く、利便性が高く、住みやすいことから年々人口が微増している約2万5,000人の町です。しかし、山間地では過疎が進行しています。

2.山を守る

本町の約7割が鰐塚山系を形成する山林で、3分の1が国有林、3分の2が民有林で内半分(2,200 ha)を1社が所有しております。一昨年、この山林が売買の対象となりました。この山からの地下水・清流は、本町の水瓶であり盆地の一部を潤す農業用水として利用されています。また、長田峡という素晴らしい渓谷美を形成し、国土保全、水源涵養、保健・休養の場など観光資源、防災でも重要な役割を果たしています。この山が外国資本や投機目的の第三者に譲渡されて、山地荒廃の憂き目にあい、町のキャッチフレーズ「花と緑と水の町」に相応しくない風景となるのではと心配しました。町議会をはじめ、県、森林組合など各方面からも心配の声をいただきました。幸いにも、国内企業で環境保全に熱意を持ち、環境創造企業として「地域とともに」を標榜する企業に親会社として引き受けて頂くこととなりました。災害大国である我が国にとって、治山治水は、行政の重要課題です。治山治水の源である自然は、継続して維持管理していくことが重要です。このことから、昨年10月に県の立会いの下、山林を所有する会社とその親会社の3社で、当面10年間の環境保全協定を締結する運びとなり、安堵した次第です。

3.文教のまち三股

本町は、昔から教育熱心で、幾多の人材を生んだ誇り高い地域です。藩政時代には、郷中(ごじゅう)教育(例:先輩が後輩の教育、躾、武道などの指導に当たる)があり、明治になり本町の開拓の礎となった三島通庸公(後の警視総監)によって教育の振興がなされました。本町には、「米の倉より頭の倉」という言葉があり、経済的な困難にもめげることなく教育に力を注ぐ教育尊重の風潮があります。そのようなことから、「文教三股」というようになり、今日でも教育の町として知られています。

その伝統を引き継ぎ、更に発展させるため10月第3土曜日を教育の日とし、一昨年から「文教三股フェスティバル」を開催しています。町には、6つの小学校と1つの中学校があり、フェスティバルでの児童生徒の意見発表や郷土芸能、演劇などの舞台披露を通して、郷土学習や学校間連携に繋がっているのではと思います。そして、「黙想、座礼、挨拶、無言清掃、郷土学習」などの基本的事項を謳った「児童・生徒憲章」が策定され、全校が実践することで生徒児童の一体感の醸成が図られており、このことがスムーズな中学校進学に貢献していると考えます。

4.地方創生~動画「ドキドキみまた」

町のPR手段として、ふるさと納税のほか街中での演劇イベント「まちドラ」、九州管内の作家による工芸展「みまたモノづくりフェア」、「みまたん霧島パノラマまらそん」など町外へ発信する企画に積極的に取り組んでいます。また、本町は、和牛オリンピックといわれる全国和牛能力共進会の「枝肉の部」で2連覇を達成し、宮崎県の連覇に貢献した「和牛日本一の町」です。そして、「九州最南端のどぶろくの町」でもあります。農畜産業も盛んで、6次産業化の1つとして、金ゴマ、黒ゴマ、白ゴマの生産と商品化に取り組んでいます。他にも、NHK番組「ためしてガッテン」で取り上げられた「バイオ茶」、魔法のスパイス「マキシマム」、尺ヤマメからとれる「黄金イクラ」、ラッキョウの漬物など特産品も盛りだくさんです。

自然が豊かで、教育・スポーツに熱心、人情味溢れる町、それが三股町です。都城市のベッドタウンとして発展する一方、過疎も混在していることから、移住・定住促進のためのPR動画「ドキドキみまた」を作製しました。動画サイトなどで見ることができますので、本町の良さ、素晴らしさを、ぜひご覧ください。皆様のご来訪を歓迎するとともに、移住・定住は更に大歓迎いたします。