ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 町村長随想 > 教育を基盤にすえたまちづくり

教育を基盤にすえたまちづくり

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年9月5日

教育を基盤にすえたまちづくり

福岡県須恵町長 中嶋 裕史

須恵町は、福岡市の東約10㎞に位置し、豊かな自然に包まれた田園都市です。霊峰・若杉山をはじめとする豊かな緑や、四季折々に咲く多彩な花々など、美しい自然が至るところに息づいております。

町民憩いの場として親しまれている皿山公園は、ツツジの名所として有名で、春には、町内外からたくさんの人が訪れて賑わいます。

また、町の歴史は古く、平安時代には仏教文化が花開きました。佐谷地区にある建正寺には、最澄作と言われる秘仏・十一面観音立像(県指定有形文化財)が祀られており、 毎年4月の第一日曜日に御開帳が行われます。

江戸時代には、日本四大眼科の一つに挙げられた高名な眼科があり、全国各地から患者が訪れ、宿場町さながらの賑わいをみせたそうです。また、福岡藩御用窯として、 須恵焼が誕生したのもこの時代と言われております。明治時代に焼かれた金錆染付(きんさびそめつけ)製品は、須恵焼独特のもので、海外にも輸出されておりました。

明治時代になると、良質な石炭が取れることから日本で唯一の国営炭鉱が置かれ、戦前は海軍燃料廠採炭部、戦後は国鉄志免鉱業所と名称を変えながら、昭和39年に閉山するまで地域の産業を支えました。

恵まれた自然と、悠久の歴史が息づく須恵町は、現在、福岡市のベッドタウンとして成長しております。都市圏への交通アクセスが良く、生活圏に商業施設が充実しているため、子育て世帯も増加し、 人口も右肩上がりに推移しております。

現在、須恵町はまちづくりの基本理念を、「ともに思い ともに創り ともに生きる」と定め、誰もが安心して安全に暮らせるまちづくりを行っております。また、未来の地域を支える子どもたちが、 生きる力や創造性を発揮できる人に育つよう人材育成にも力を入れております。

その一環として、0歳から義務教育終了の15歳までを、教育の第一ステージと捉え、切れ目ない支援に取り組んでいます。中でも就学前教育の充実に努め、子どもたちに一貫した基礎教育と保育の機会を設けるため、 幼児園の整備を進めています。平成19年に、公立の幼稚園と保育園を一体化した福岡県初の認定こども園として開園した「アザレア幼児園」は、保育需要の増加に伴い、児童数400人規模の園舎に建て替えを行い、 本年8月に竣工、9月から新園舎での保育が始まりました。

また、働きながら安心して子育てができる環境の充実を図るため、本年度より夏休みこども居場所づくり事業として、「須恵っ子サマーデイルーム」を開始しました。この事業は、 シルバー人材センター会員や教職員経験者などの経験豊かなスタッフが保育を行うだけでなく、地域ボランティアなどの協力を得て、伝承遊びや料理教室など、さまざまな体験プログラムが組み込まれております。

このように、保護者のニーズに対応した適正なサービスを提供しながら、未来を担う子供たちの心を豊かにする「教育のためのまちづくり」を展開しております。

そのほかに、まちづくりの根幹を「教育を基盤に据えたまちづくり」としており、地域づくり・地域人材育成などの施策を展開しています。中でも、小学校区を構成単位とした「校区コミュニティ事業」は、 地域住民が、アイデアを持ち寄り、それぞれの地域の特色を生かしたまちづくり活動を行っております。

行政区や各種団体などが単独では解決できない問題や課題を、校区の人みんなが協力共助の精神で解決する「校区コミュニティ事業」は、お祭りや講習会、ボランティア派遣など、 生活に関わるさまざまな分野の取り組みによって、世代を超えた交流が生まれております。

昨今、地域住民間のコミュニケーションの希薄化や、互助の精神の崩壊が危惧されておりますが、須恵町は、「地域の課題は地域で解決する」を基本に、 地域自治の各領域や行政サービスが届かない「空白部分」を行政・町民・地域団体・企業などが協働し、地域サービスを供給する「くらしのコミュニティづくり」やオープンイノベーションによる地方創生を目指し、 互いに手を取り、絆を深めながら、「すえながく 笑顔輝き 緑あふれる コミュニティ創造の郷」を築いて参りたいと考えております。