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町をまるごとブランド化 日本一カッコいい田舎町をめざして

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年8月22日

町をまるごとブランド化 日本一カッコいい田舎町をめざして

山形県朝日町長 鈴木 浩幸

朝日町は山形県の中央部に位置し、磐梯朝日国立公園をはじめとする原生林野が町土の76%ほどを占め、豊かな自然環境と澄みきった空気に包まれ、 世界で唯一の「空気神社」のある人口7,500人の町です。町を流れる最上川の両岸に沿った河岸段丘は、特産のリンゴなどの果樹をはじめ農作物の栽培に適した肥沃な土地です。

特にリンゴは、長い歴史の中で先人の努力により「無袋ふじ」発祥の産地として中央市場においても高い評価を得ており、近年では平成16年から取り組み始めた輸出事業により、 海外でも高い評価を得る産地となりました。

また、リンゴと並んで町を代表する特産品に、地元産のぶどうを原料として醸造されたワインがあります。日本ワインコンクールで金賞の連続受賞をはじめ毎年数々の入賞に輝き、 平成28年伊勢志摩サミットではワーキングランチの折の飲料として選ばれるなど大変な栄誉に輝いています。

人口減少、少子高齢化が進展する中、地方創生が声高らかに言われておりますが、本町は引力のある元気な町をめざして総合戦略をスタートしました。平成26年度から町のブランド戦略に取り組み、 地域イメージを統一し、そして高めることにより、人・モノ・カネ・情報等が自然に集まる町の引力を強化し、日本一カッコいい田舎町をめざしています。 町が変わるためには町に住む人が変わることが必要と考え、ブランド大学を開校しブランド力の高い企業の方を講師に2年間集中的にご指導いただく学びの場を設けました。 その結果、町民にも変化が表れ、個々のお店・農家のブランド化の取り組みや新たなイベントの開催に発展しています。

また、昨年10月には山形県内では8年ぶりとなる道の駅あさひまち“りんごの森”がオープンしましたが、町を発信するブランディングの取り組みとして地元中学生から様々な提案をいただきました。 修学旅行でもブランド力にすぐれた企業を訪問するなど研修を積み重ねながら、商品開発、広報、イベント等について様々なアイデアが出されました。 ブランド化を通した様々な取り組みやリンゴとワインという朝日町の最大の強みを活かし、半年間で26万人を超えるお客様が集まり、交流人口の拡大や農家所得の向上に大きな成果が見られた一例でもあります。 生徒たちにとって道の駅プロデュースという貴重な体験は、彼らを将来地域のために貢献できる立派な大人に成長させてくれるでしょう。

元気な町であり続けるには、若者の地元定着や移住の促進が重要なポイントです。近年では、リンゴという朝日町のブランドが若者を引き付け、地元での新規就農者はもとより、 朝日町でリンゴを栽培したいという町外からの新規参入者も増えています。また、移住体験のためのゲストハウスを今年度整備する予定ですが、朝日町の資源を活用し魅力をどんどん発信し、 若者の活気あふれる町をめざしています。

高齢化社会が進展する中、生涯現役で暮らし続けることのできる環境整備も目標の一つです。子どもたちとの交流による文化や技の伝承、 基幹産業である農業の技術指導等高齢者の活躍の場や生きがいづくりとともに、健康寿命を伸ばすことが、本人の幸せはもとより町の幸せに結び付きます。 ブランド化に取り組む中で国内屈指のスポーツ用品メーカーであるミズノ株式会社と本年3月町づくりについて連携いたしました。子どもたちのスポーツにおける可能性の発掘とともに、成人、 高齢者を対象にニュースポーツや新たな体操の普及により、健康寿命を伸ばし介護予防にも努めるという大きな目的があります。スポーツや健康というミズノ株式会社が持つ専門的なノウハウを提供いただき、 子どもから高齢者まで健康で元気な町づくりという壮大な計画です。

町の未来に明るい希望を持ち、子どもから高齢者まで誰もがキラキラと輝いている、そんな町を実現したいと思います。地方創生は今始まったことではなく、過疎に悩む町にとっては長年の課題であり、 これまでも知恵を絞ってきました。朝日町は、これからも日本一カッコいい田舎町をめざしてあくなきチャレンジを続けます。