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『マグロを超える日を目指して』

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年8月8日

『マグロを超える日を目指して』

青森県大間町長 金澤 満春

マグロの大間、大間のマグロと言われ、本州最北端の私たちの町大間は広く全国に知られるようになりました。

仕事柄日本各地の方々とお会いする機会が多く、名刺交換などで「大間町の金澤です」と挨拶すれば、あのマグロの大間ですかと言われ、とても嬉しい思いをしています。

知名度を高めた要因の一つは、映画やテレビなどマスメディアに取り上げられたことであります。古くは、 昭和48年吉村昭氏がマグロ一本釣り漁師を取材し書き上げた小説「魚影の群れ」(このとき吉村氏に漁師を紹介したのが当時町長であった私の父金澤幹三でした。)が出版され、十年後の昭和58年、 相米慎二監督メガホンにより主演の緒方拳さんや夏目雅子さん・佐藤浩市さん・十朱幸代さんなど豪華キャストにより映画化されました。当時マグロの回遊が少なくマグロ漁の撮影に苦労されていました。 この映画が同じ青森県の田子町で、今月の28日に開催される田子町映画祭で上映されることになりました。是非足を運んで頂きたいと思います。

その後、平成12年にはNHKの朝の連続テレビ小説「私の青空」の舞台となりました。なぜ、大間が舞台として選ばれたかを脚本家の内館牧子さんはこのように話してくれました。「このドラマの制作にあたり、 東北の漁村を想定しシナリオハンティングで大間を訪れた時、対応してくれた大間漁協浜端組合長の、漁師の生き様を話すときの目の輝き、身振り手振りとしわがれ声の独特な語り口に、 大間の漁師が命がけでマグロと戦う姿と父親の姿をイメージできました。もし、浜端さんと出会っていなければ大間で無かったかもしれませんね。人の出会いってすごいですね・・・」

このドラマの放映で大間町が全国的に知られるようになったと言っても過言ではないと思います。

さらには、石原プロによる渡哲也さん主演のドラマ「マグロ」が2日間にわたり放映されるなど、今でもバラエティー・ドキュメンタリーなど数社の撮影クルーを町で見かけるようになりました。

一方で、地域でも話題性の高いイベントが開催されるようになりました。その一つが平成13年にスタートした「朝やげ・夕やげ・横やげ~大間超マグロ祭り」です。 このイベントは、行政に頼らず、 自分たちで出来ることを、力を合わせてやってみよう、係った人たちが、何らかのメリットを享受できる方法を考えようと、大間町活性化委員会、 通称「やるど会」が漁協・商工会・観光協会・旅館組合・飲食店組合等に働きかけ立ち上げました。もちろん、主役はマグロです。当時、大間のマグロを大間で食べる仕組みが出来ていませんでした。 ここまで有名になったマグロを、マグロ漁に命を賭ける大間の漁師の思いと、大間の空気、潮の香り、大間の人々の熱き思いを感じながら食べてもらい、大間を満喫して頂き、そして、このことを契機として、 いつでもマグロを提供出来るようにしてほしいという思いが込められていました。

この思いは叶えられ、現在町内の飲食店やホテル・民宿などで年間を通して提供されています。

また、盛漁期となる九月から「マグロ祭り」(今年は10月29・30日)までの毎週日曜日には「日曜日はマグロ DA DAY」が開催され、マグロの解体ショーや即売・食事を楽しむことが出来るようになりました。

「朝やげ・夕やげ・横やげ~大間超マグロ祭り」の“超”には、マグロそのものが超一級品であること、そして、そのマグロを自分たちが超える、そして超えるものを創り上げようという意味が込められています。 祭りを立ち上げて15年、また来たよ~会いに来たよ~と言ってくれる人が増えてきました。マグロを超えようと走り続ける人に人が集まり、その輪が確実に広がっています。マグロが泳ぎ続けるように、 私たちも走り続けていこうと思います。マグロを超える日を目指して・・・