ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 町村長随想 > 美しい自然と史跡に恵まれた心ふれあう町~笠置町~

美しい自然と史跡に恵まれた心ふれあう町~笠置町~

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月19日

京都府笠置町長 松本 勇

 

笠置町は京都府と奈良県の境、木津川の山峡に歴史とロマンを素朴に漂わせる、静かな史跡と景勝の町です。

豊かな自然と悠久のロマン、山や川を活かし、先人たちが築き上げた貴重な財産を尊重しながら、小さくても、あるいは小さい町だからこそ輝くことのできる、 豊かに暮らせる夢と希望の持てるまちづくりを目指しています。

町のシンボルでもある笠置山は、古くから信仰の対象とされ、山頂の笠置寺には日本一といわれる弥勒大磨崖仏(みろくだいまがいぶつ)があります。また、後醍醐天皇の行在所としても知られ、 当時をしのぶ史跡も数多く残っています。四季を通じて豊かな自然を楽しむことができ、休日は多くの来訪客で賑わっています。日本の桜の名所百選にも選定された、約三千本の桜が春を告げ、 夏には木津川でのカヌーやキャンプ、秋には笠置山が錦に染まり、冬にはキジ鍋やボタン鍋に舌鼓と、笠置町は歴史と美しい自然が調和する町です。

当町は、京都府の最南端、北緯35度45分、東経35度56分に位置し、東は南山城村、伊賀市、西は木津川市、北は和束町、南は奈良市柳生の里に接しています。 面積は23.52平方キロメートルで町の中心を東西に木津川が流れ、その南岸には、JR関西線、北岸には国道163号が走っています。

当町の気候は内陸性気候で気温の年較差、日較差は大きくなっています。夏には木津川から心地よい風が吹き寄せ、特に切山地区は高原的気候で農耕地に適しています。 地質は花崗岩ホルンフェルスのため地盤が弱く、しばしば大きい災害をもたらす一因となっています。また、雨がすぐに流れ出して木津川に注ぐため、河川等が濁流となることもあります。

このような本町の状況でありますが、課題は多く、特に少子高齢化が顕著で、町の活性化をいかに推進するかが大きな課題です。

そこで、既存の拠点施設であるJR笠置駅、笠置町産業振興会館(観光案内の拠点で包括支援センターとの複合施設)、日帰り温泉施設(笠置いこいの館)、デイサービスセンターや医療施設に加え、 さらに生活サービスや地域活動の提供施設に、全住民がより合理的で効果的な日常生活が送れる機能を整備しました。このように利活用の仕組みづくりを実施することにより、人々が集い、 交流する機会が広がり、温泉施設をはじめとするそれぞれの施設がお互いの需要を喚起し、魅力ある新しい地域の再生を目指しています。

「小さな拠点づくり」を最重要課題と位置づけ、その実現に向けて前進あるのみ!

さらに私が抱く笠置町への夢を語ってみたいと思います。

面積の小さな当町にとって、いかにこの問題を克服できるかが一番の課題と考えますが、現在の一歩の踏み出しがなければ何も解決せず、何も始まりません。

そこで観光振興を前面に押し出し、特産品の開発を考えてみたいと思います。荒廃農地を再利用し、葡萄の栽培を始め、さらにワインの醸造と6次産業化へつなげていきたい。 さらにカヌーの製造から愛好者の増大、キジの養殖からキジ肉の消費拡大、バイオ椎茸の製造から加工販売の促進等。

また山間部の地形を生かした森林と湧水等の資源を活用し、植物工場や生ごみのガス化プラント化、小水力発電、超小型モビリティ等、環境と経済の好循環による自律的、継続的、 低炭素化事業を推進。子育て世代に特化した公営住宅の建設、化粧品会社誘致による雇用の創出等々。

これらは「小さな町の大きな仕事」であり、笠置町の悲願なのです。