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合併10年を顧みて ~協働のまちづくりを目指して~

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年4月13日

岡山県鏡野町長 山崎 親男

 

鏡野町は岡山県の北部に位置し、山陽地方と山陰地方の中間、関西圏と広島県の中間に位置し、古くから山陰、山陽などの主要都市を結ぶ地域となっています。

地勢は、鳥取県との県境をなす中国山地南面傾斜地や平坦肥沃な準平原地で、天候は夏冬の温度格差が大きい内陸型気候で、面積419.68k㎡、人口約1万4千人の町です。

平成の大合併のうねりの中、平成17年3月1日、新生「鏡野町」の幕が開かれました。そのような中、私は同年町長に就任し、以来今日に至るわけですが、今振り返りますと、 町民一人ひとりの顔に豊かな微笑と、そして手のひらに大きな希望をもって迎えた2町2村の合併は、県下でも最悪の財政状況下にある現実に直面し、その対策に日夜奮戦する日々であったように思われます。

人員の削減から始まり、数多くの事務事業の見直しに係る調整や関係地区への説明等々、いまだ継続中の案件もありますが、町民の協力、また職員の努力により、 当初の予定よりも早く目標を達成することができたと自負しています。

現在は、町民とともに新たな目標設定に向けて取り組んでいるところですが、そうした中、目を転じれば我が町は豊かな自然に恵まれ、四季折々に様々な景色を映し、その中で人々は自然と調和しながら、 その地にあった生活をそれぞれに営んでいます。

春は、新緑の中に広がる美田と清流に遊ぶ稚魚の群れ、夏、涼やかな渓流と爆音を立て落ちる滝の数々、鮮やかな紅葉で全山を彩る秋、冬、静かな湖面にしんしんと降り積もる粉雪と温泉の湯けむり、 そして厳しい自然とともに生きている優しい人々の笑顔。

4町村が一つとなりましたが南部は晴天でも北部は大雪に見舞われているというように気象条件が大きく違い、習慣や風土は様々であり、地域の住民が必要としているものや要望にも差があります。 このため融和、一体感の醸成を図りながら、4地域のバランスのとれたまちづくりを目指しております。

このような中、これらの解消とともに協働のまちづくりへ向けての意識高揚のために「未来・希望基金」を創設し、地域住民自らの知恵によって地域に活力をもたらし、 未来に希望がもてるまちづくりを目的に事業募集を行いました。

初年度には、12地域(旧町村単位)全てが様々な事業を計画し、現在、住民自らの手によって地域の課題に向けた各種事業が展開されています。

本基金事業は、5年間を目途として創設したものですが、現在2期目として事業を継続しています。折しも地方創生が大きく唱えられ、地方が考え、実行して、成果を出していくことが求められていく中、 まさに地域から提案される地方版創生事業と考えられ、今後においても、地域に定着し、住民福祉に繋がるよう願ってやみません。

さて、合併10周年を経て、新たな10年へのスタートを切るにあたり、本町では、町に誇りを持ち、将来にわたって健康で住み続けたい、 活動したいと思えるまちづくりを一層推進するため、「鏡野町輝くまちづくり基本条例」を施行することとしました。

人間が生きていくための生活水準の維持は当然必要ですが、それ以上に必要なものが我が鏡野町には脈々と息づいており、その歴史と伝統、 多彩な地域文化はこれからの未来を担うこども達の育成になくてはならないものと思っております。

この「森といで湯と田園文化の里」をこども達に託していくために、町財政においては今後も厳しい状況が続くことが予想されますが、町民の皆様の「幸せ」のため、より一層の財政健全化、 そして将来の鏡野町を見据えた町政運営を進め、町民の皆様がこれまで以上に、「住んで良かった」と感じられる「まちづくり」に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えています。