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「世界遺産にふさわしい、質の高い心の町」を目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年6月23日

山梨県町村会長 山梨県富士河口湖町長 渡邊 凱保

 

「住んで良し、訪れて良し、世界遺産にふさわしい質の高い心の町」を目指して町民2万6千人の資質向上に取り組んでいます。

昨年6月22日、「富士山世界文化遺産」登録が決定しました。

富士山を取り巻く、山梨・静岡両県で25の構成資産の内、当町は8つの構成資産を有する町であります。

平成15年に1町2村の町村合併、平成18年に旧上九一色村と分村合併が実現し、 4つの湖(河口湖・西湖・精進湖・本栖湖)と広大な青木ヶ原樹海・県下一の酪農地帯(富士ヶ嶺地区)を有する、全国に誇る自然豊かな町となりました。 私たち町民は、この豊かな自然を守り育んでいただいた先人への感謝の思いを胸に、日常身近にある富士山の壮観を改めて再確認し、 郷土の歴史・文化・豊かな自然環境を守り後世にしっかり引き継いでいく責任を重く受けとめているところです。

観光立町であります当町にとって一番大切なことは「おもてなし」であります。

町民一人一人が「心の健康」に育み、来町者に対しても常に笑顔と愛想の良いあいさつがおもてなしの第一歩と考えております。

町村合併後11年を迎え、 本年度より交付税が10%減額され順次30%・50%・70%・90%と段階的に縮減されることとなります。「財政基本計画」を策定し推進する中で、 福祉・教育・環境そして観光を重点施策として取り組んでいるところであります。

毎年、新年度を迎えると町内を7地区に割り「主要事業説明会」を行っておりましたが、 本年度からは名称を変え「明日を拓くまちづくり意見交換会」として住民との対話を中心に、それぞれの地域の特性を活かした行政執行に取り組んで参ります。

私の政治姿勢は「住民目線」であります。町民一人一人が人格を有し、考え方、生活の仕方等一様ではありません。相手の考え(話)を最後迄良く聞く事、 全てを聞き終わった後に自分の意見(考え)を述べることをモットーとしております。 そんな対話を積み重ね「住んで良し・訪れて良し・・・」の町づくりに取り組んでおります。

私の趣味は、筆字と顔彩を使った「書画」であります。キッカケは、還暦を過ぎボケ防止の為と、親戚で旅館をしている関係で掲示用に毎月描いていました。 素人うけするせいか旅館の客が描いて欲しいとの事もあり、北海道から沖縄に至る全国各地の方々に延べで3百枚を超えてお送り致しております。

そんな私の趣味が公務で役立つこととなり意外に思っております。僭越ですがその一端を紹介致します。

ふるさと納税で多額の納税者に対し、そのお礼として贈っております。 町民で百歳の長寿を全うした方に象形文字で「寿」を一枚の用紙に百種の「寿」を扇形にまとめて贈り、大変喜んでいただいております。 東南アジアへのトップセールスに向かう際に赤富士の書画を持参したり致しております。

又、定年退職する職員に感謝の気持を込め書画を贈り喜んでいただいております。

それらの作品は、公務が終わり自宅で取り組むわけですが、一つの事に没頭し、何もかも忘れて集中する為ストレスの解消にも役立っている次第です。

富士山世界遺産登録後一年を経過しようとしております。

最近では県外からのお客様、海外からのお客様が急増し、登録前の富士北麓への来訪者は通年で1千4百万人と言われておりますが、 登録後は3割の増客で賑わっております。

特に私は、広域行政にも力を入れており富士北麓地域全体が連携して発展を遂げる施策が必要と協力体制を図っております。

まとめになりますが、住民の皆様が主体的に汗をかき地域住民の意見集約のもと地の利を活かしたまちづくりを推進していきたいと念じ、 町民の先頭に立ってキラリと輝く町づくりを推進して参ります。