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子どもたちが誇れるふるさとづくり

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月9日

福岡県大任町長  永原 譲二

 

大任町は福岡県の北東部に位置し、北九州と大分や熊本方面を結ぶ観光ルートの中間地点にあり、田川郡のほぼ中央にあります。東は岩石山畳を隔てて赤村に隣接し、北と北西部は香春町と田川市に接し、 西は大峰丘陵を隔てて川崎町に接し、南は添田町に連なっています。町の中央を南北に彦山川が貫流する低地帯(田川盆地)で、周囲は丘陵地域となっています。広さは、 東西3.6㎞、南北7.2㎞、総面積14.24㎞です。

目に見えるまちづくりについて

町がある田川地域は、産炭地域で日本近代化産業の先進地でしたが、石炭から石油へとエネルギーの転換が行われ、あっという間に廃れていきました。現在では、人口の減少も著しく、 町は過疎地域に指定されています。私が町長に初当選したのは、51歳の時でした。廃れ行く町をこのままにはしておけない、なんとか変えてみせようと一大決心いたしました。そこで力を入れたのが、 目に見えるまちづくりです。

=彦山川に水辺公園を作る=

これは、約6億円かかる事業になりました。町にはお金がありませんので、河川をきれいにしたいし、子どもたちの学習の場も提供したいと、国土交通省へ陳情し、完成したのが水辺公園です。

=日本一のさくら街道を作る=

町を縦貫する大任中央線の整備に取りかかりました。ここに「日本一のさくら街道」をと推進しました。もちろん多くの反対もありましたが、目に見えるまちづくりの信念を貫き、6.4㎞に桜や紅葉を植栽し、 今では、町の名物になっています。

=老朽化した町営住宅の建て替え=

古い住宅は、台風や大雨によってダメージを受けやすく、毎年6千万円にもおよぶ補修費がかかっています。建て替わった町営住宅は、分譲住宅ですかと問い合わせがあるほどきれいなもので、 住んでいる人たちも大変喜んでいます。また、さくら団地は、国土交通省から局長表彰をいただきました。

=道の駅おおとう桜街道の建設=

平成22年10月16日にオープンした道の駅おおとう桜街道。町が100%出資した株式会社が運営する、親子三世代が楽しめる1日滞在型、日本最大規模を誇るものとなっております。

道の駅は、天然温泉や露天風呂、薬石浴、サウナなどが楽しめる「さくら館」、新鮮野菜や魚、弁当、総菜が買える物産館や焼き立てのパンやたくさんの軽食が楽しめるフードコート、 1億円トイレなどが並ぶ「もみじ館」、電動遊具や大型コンビネーション遊具が配置され、休日にはお弁当を持参した家族連れがよく訪れている「親子ふれあい広場」の3つのゾーンで構成されています。 また、臨時駐車場と合わせて収容台数約500台を超える大駐車場を完備していますが、連休の晴れた日にもなると駐車場も満車になるほどの大盛況で、町に大きな活力を与えてくれています。

道の駅の平成25年9月末現在の売り上げは約27億円で、町へは2億600万円の寄付金と入湯税約3千300万円を入れています。来場者数も約380万人にのぼりました。 近隣では他の追随も許さない勢いで大成功しています。

=町ブランドづくりの推進=

道の駅の物産館に地元産のものが少ないとの声を聞き、町でどうにかできないかと考え、町でブランドを作ろうと計画しました。

ハウス栽培施設である「おおとう観光農園」を整備。キュウリやトマト、ナスなどを出荷し、全て完売しています。マンゴーやキンカンなどの南国フルーツも順調に生育中で、 2・3年後には出荷できる見込みとなっています。また、しじみの養殖場「大任しじみセンター」において日本でも例がない、しじみの養殖に我が町は挑戦しました。今、稚貝がスクスクと育っていて、 2年後には出荷できる見込みです。続いて「納豆工場」です。今、国の政策で農地の半分が休耕田になっています。そこに大豆を植え、地元産の大豆を使って、納豆や豆腐を作ろうと計画しています。 これらの施設が全て稼働し始めると雇用も生まれ、町の活性化にも大いに貢献してくれるものと期待しております。

さらなる町の発展を目指して

=教育改革で地域活性化=

地域活性化で忘れてはならないのは、お金を回して経済を活性化させ、雇用を生むことだけではなく、人材を育てるための環境整備が必要になってきます。そこで私が現在行っているのは、 低迷する学力を底上げするための『教育改革』です。町では、福岡県下でも初めての取り組みとして、平成24年4月から無料で受講可能な公的塾として「おおとう未来塾」を開設しました。 小学校高学年や中学生を対象に、町が講師を雇い、軽食と送迎付きの上、無料で行っております。子どもたちに毎日勉強する習慣を身に付けてもらうために、行政も学校も力を合わせて頑張っています。

=おわりに=

私は、民間出身の町長です。町の舵取り役を任されて8年が過ぎ、現在3期目を務めさせていただいています。今後も、民間型の発想で、活力のなかった町を元気づけていきたいと考えております。 道の駅や観光農園、しじみの養殖場など珍しいものがたくさんございますので、皆さん、ぜひ一度お越しください。