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人と自然にやさしい心かよいあうまちづくりを

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年7月1日

熊本県大津町長 家入 勲

 

大津町は、熊本市と阿蘇山との中間に位置し、江戸時代には、参勤交代の宿場町となり、政治・経済・文化の中心として栄えました。商業集積地も時代とともに変化し、 宿場町として栄えた通りから国道57号バイパスへと移り、国道沿いの商業集積地は、バブル期には黄金ルートと言われました。町の中心部を東西に走るJR豊肥本線と併せて、産業や観光、 生活交通として重要な役割を果たしています。

また、阿蘇くまもと空港の玄関口として、大津町の顔であるJR肥後大津駅と空港とを結ぶ無料の空港ライナーが10分で走り、熊本駅からJR肥後大津駅へは、40分で移動できます。 ビジネスホテルも町内に8箇所あり、宿泊施設も整っています。九州自動車道熊本インターから15分と、交通の利便性に優れた田園産業都市として発展しています。

阿蘇外輪山に連なる森林、原野地帯は、昔は放牧・草刈場で牛馬の産地でありましたが、現在、再生可能エネルギーの活用がなされようとしています。また、 町内には自動車やIC関連企業など多くの企業が立地し、県内有数の工業地帯をなしています。

人口は、昭和31年の合併以降、過疎化の波により減少していましたが、車社会の発達を見込んだ先人達の努力により、昭和51年には、本田技研工業(株)熊本製作所が操業を開始したのを機に、 人口増加に転じ、その後、ICや自動車関連企業の進出により、町の税収も伸び、一時は普通交付税不交付団体となるなど財政的に足腰のしっかりした、県内でも有数の発展し続ける元気な町となりました。

また、企業間の連携を図るため、本田技研工業(株)熊本製作所や(株)ホンダソルテックを始め、IC関連企業等で企業連絡協議会(70社)を組織し、情報交換を行っています。一方、経済状況は、 リーマンショックにより企業の業績が落ち込み、町の財政も厳しい状況となりましたが、幸いなことに、全国的な人口減少のなか、当町は人口増加を続け、現在、3万3千人を超えています。

人口増加とともに子供の人口も増加しているため、今年の4月には新たな小学校を開校し、また、待機児童解消のため民間保育所の新設や定員増により対応をしています。しかし、いずれ、 わが町にも及ぶであろう人口減少に対応できるよう、若者の定住促進対策がより一層求められています。

大津町は、「からいも」(甘藷)の生産地であり、作付面積、出荷量ともに熊本県トップにあります。昔は、通産省のアルコール工場もあり、地域経済の源となっていました。 一年中掘りだし(掘りたて)の味を損なわない、自然を活用した貯蔵庫ができ、地産地消とともに、県外や海外へも出荷されています。春先に植えた「からいも」は、早いものは、8月始めには出回り、 高値で取り引きされています。11月中旬には、毎年「からいもフェスティバル」を開催し、県内外から2~3万人の方が訪れ、賑わいます。今後も、町特産の「からいも」の、 ブランド化に向けた取り組みを進めていくつもりです。

また、当町には、熊本国体の少年サッカー場となった「スポーツの森・大津」運動公園があります。阿蘇の雄大な大自然をバックに、サッカー場は、全国トップクラスの芝管理で、 J1チームのキャンプも行われるなどスポーツイベントも多く開催されています。また、HSR九州では、二輪車のモトクロス大会も毎年開催されて多くの観光客で賑わいます。

豊かな自然の他にも、大津町には、国指定重要文化財「江藤家住宅」や町指定文化財「梅の造花」等の歴史的文化財もあります。

また、県立高校が3校もあり、教育環境にも恵まれた若者の町として、「安心・安全・快適な住みたい町」、「人と自然にやさしい心かよいあうまちづくり」を実践し、 次世代へ「大津の宝」を磨き引き渡していく使命を果たしてまいります。

ご当地キャラクターからいもくん