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協働の村づくりで、次の世代へ

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年10月1日

協働の村づくりで、次の世代へ

鳥取県町村会長 鳥取県日吉津村長 石 操

私どもの日吉津村は、鳥取県の西北端部、中国山地を源とする一級河川日野川の下流右岸に位置し、北は日本海に面し、 東に国立公園の秀峰大山を仰ぎ見る箕蚊屋平野の一角にあります。人口3,445人、面積4.16平方キロメートルで、海岸部以外の三方を米子市に囲まれた小さな村です。 明治22年の村制施行以来、小さくとも活力ある村として発展してきました。昭和27年に大手製紙会社を誘致し、また、昭和62年には、下水道の全村完備を、全国に先駆けて成し遂げ、 97%の水洗化率を誇っています。

その後も、大手の大型ショッピングセンターを誘致し、元気な地域の自立を目指して取り組んできました。

平成15年4月の私の就任時は、「平成の合併」の議論が大詰めを迎えた時期でした。昭和20年代後半の「昭和の合併」の際にも単独の選択をしましたが、当時、 村を二分して対立の構図を生む選択だったと聞き及んでいました。小さな村で対立の構図は、その後の村づくりに禍根を残すと考え、平成15年11月に県下で初めて 独自条例による「合併の是非を問う住民投票」を実施し、単独存続を決定しました。その後、行財政改革に努め、相当強引とも言えるスリム化等を進めるとともに、 地域の自立を求め、自治会ごとのコミュニティ計画づくりを提案し、参画と協働による村づくりを進めてきました。

平成21年4月には『参画』と『協働』による村づくりの基本ルールを定めた「自治基本条例」を施行しました。さらに、 今年6月には常設型の「住民投票条例」を施行し、一定の署名によって議会に付することなく住民投票が実施できるよう定めたところです。

米子市近郊という地の利を生かした住宅地の供給政策によって、近年、転入者が大幅に増加し、平成22年度国勢調査では8.7%という 県内トップの人口増加率(前回比)を誇り、「活力ある村」という評価を頂いております。

このような中、村民ニーズは子育て支援の充実・高齢者福祉の充実への要望が高まっており、「子育て支援の充実」、「包括支援ケアシステムの構築」、 「複合施設の建設」の3つを重点施策とし取り組みを進めているところです。

「村づくりは人づくり」の視点に立って、学校教育では、平成22年に、小学校子ども図書館を木の温もりを感じさせる木造で整備し、機能の充実を図ったところ、 小学校児童に対する図書の貸出し数が一人当たり平均98冊にもなり、文部科学省の2012年度「子ども読書活動優秀実践図書館・団体」に選ばれました。

その他、「子育て支援センター」や「ファミリーサポートセンター」を設置し、地域全体で次代を担う子どもたちを支え、育てていく体制づくりを整え、 多くの方にご利用いただいています。

「包括支援ケアシステムの構築」は、高齢者や、障がい者など、すべての皆さんが住みなれた地域で、可能な役割分担をしながら、生活し続ける限界点を 引き上げるシステムを考えようと提案し、その取り組みを始めたところです。22年度には、県内町村で先駆けて「福祉事務所」を設置し、充実した福祉サービスの提供に努めています。

「複合施設の建設」は、村内で不足している機能として、成人の読書環境や、健康づくりを積極的に推進する保健センター機能などを併せ持つ施設の建設に向け検討に入りました。

近年、地球温暖化問題、環境破壊が危惧される中、平成20年に太陽光発電パネルを完備した小学校体育館を新築しました。また、平成23年3月に 「日吉津村環境基本条例」を制定し、問題解決に向けて取り組みを進めています。

今後も村民と協働し、魅力ある地域づくりの実現に向けて、社会基盤や生活環境の整備とともに、連帯感に支えられた新しい村づくりやコミュニティづくりに 努めてまいります。そして、自治基本条例に謳っている「未来を担う子どもたちが誇りと夢をもって、心豊かに育つふるさとを築き、 次代に引き継いでいかなければなりません。」という目標に従い、村づくりを進めてまいります。