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アンチエイジングの里をめざして

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年9月10日

アンチエイジングの里をめざして

長野県高山村長 久保田 勝士

「千曲の流れ アルプスを 遥かに望む この大地」これは、高山村の村歌の一節です。

本村は、県都長野市から東におよそ25㎞の上信越高原国立公園内の松川渓谷と3000mクラスの北アルプスを遥かに望む扇状地に広がる人口7千6百人程の農山村です。

松川渓谷には、開湯215年の名湯山田温泉、秘湯と言われる五色・七味温泉などをはじめとする8つの温泉のほか、村営の温泉プールやデイサービス等、 社会福祉施設等でも温泉を利用している豊富な温泉に恵まれた村であります。

本村には、江戸時代の俳人小林一茶が晩年度々訪れており、一茶ゆかりの里「一茶館」には、一茶の代表作である「父の終焉日記」をはじめ数多くの遺墨が展示されております。

また、山田温泉には、森.外や与謝野晶子なども訪れておりますほか、豊臣の武将で広島城主50万石の大名であった福島正則が改易されて、この高山村が 終焉の地となり、その屋敷跡は長野県史跡に指定されております。

急峻な松川渓谷には、落差30mの豪快な裏見の滝とも言われている「雷滝」や落差180mの八つの滝壷をもつ「八滝」等パワースポットとも言える名瀑のほか、 樹齢600年の「坪井のしだれ桜」をはじめとする20本を超えるしだれ桜、夏には冷涼で牧歌的な山田牧場、錦秋の松川渓谷、冬では標高差800m全長13㎞の 日本一のロングツアーコースをもつ山田牧場のヤマボクワイルドスノーパークなど、四季折々自然に親しんでいただける村であります。

このような本村の豊かな農山村の原風景を後世に引継ぐために「人と自然が共生する」ことを基本理念とする景観条例を平成20年に制定し、平成22年には NPO法人「日本で最も美しい村」連合に加盟し、村民の皆さんとともに環境のバロメーターであるホタルの里等として良好な環境づくりに努めているところであります。

また、降水量や日照時間等自然条件に恵まれた松川扇状地は、りんご、ぶどう等の果樹には最適で、最近では村内のワインぶどうの適地として、一区画8.5haを 含む21のワインぶどう畑で栽培が行われており、昨年、ワイン特区の認定を受けて、世界に通じるワインを目指して本格的な取り組みも始まり、村内で醸造される ワインの誕生が待ち望まれております。

これらの農作物の栽培にあたり、生ごみの堆肥化による有機農業や減農薬栽培が評価され、平成17年の環境保全型農業推進コンクールにおいて農林水産大臣賞を 受賞する等、食の安全安心な自然環境にやさしい農業に取り組んでいただいております。

人は誰もが不老長寿を願っておりますが、いつまでも若々しく年令を感じさせない、いわゆる「アンチエイジングの里」づくりを目指して平成22年に「信州高山 アンチエイジングの里 スパ・ワインセンター」を山田温泉に開設いたしました。

このセンターは、本村の豊かな自然・食材・温泉などを活用し、運動・栄養・休養をキーワードに、生きがいを持ち老化を防ぐ「アンチエイジング(抗加齢)の里」 づくりの拠点として、観光案内所をはじめ、地域食材を活かした軽食、足湯喫茶のサービス等でゆっくりくつろいでいただくことができます。

さらに、国際的にもアンチエイジング研究で御活躍の順天堂大学大学院・加齢制御医学講座の白澤卓二教授の研究により、高山村は長寿の里としても注目されるようになりました。

最近の地球温暖化防止対策や福島原発事故等により自然再生エネルギーが改めて注目されておりますが、村内の松川の利水が難しい酸性水や県の砂防ダムを活用し、 小水力発電の開発や一般住宅の太陽光発電設備の導入を推進し、エネルギーの地産地消を目指して参りたいと思っております。

地方分権と言われる中で、地方には地方でなければできない役割を微力ながら果たして参りたいと考えております。

今後とも、高山村は「日本で最も美しい村」連合の一員として失ったら二度と取り戻せない美しい自然を大切に、安全安心な食材、豊かな温泉などを活用し、 訪れる皆さんの心身を癒し、若さを取り戻すことができる「アンチエイジングの里」をめざし、夢と希望と誇りの持てる、心豊かな活力ある村づくりに努めて参りたいと思っています。