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「見守りネットワーク」支えあい・助け合える地域づくり

印刷用ページを表示する 掲載日:2011年11月14日

「見守りネットワーク」支えあい・助け合える地域づくり

千葉県町村会長 東庄町長 岩田 利雄

「住みなれた地域で安心して暮らしたい」と思う気持ちは誰もの願いです。

年齢、性別や障害、家族の有無などに関係なく、地域の皆さんで見守り支えていくために、住民みんなで参加することができないかと考え、本町では千葉県でも進めている「見守りネットワーク」というものを今年2月から行政協力員や地域に訴えかけて8月からスタートさせました。 

『みんなで支えよう みんなの暮らし』をテーマにして、「お互いに少し 気配りをしてみましょう」という投げかけをしています。

地域で暮らす一人ひとりが、普段の生活、お付き合いや関わりの中で「あれ?」とか「おや?」と思うことがあったら、地域のまとめ役、相談役の区長・民生児童委員・老人クラブ、PTA、青少年相談員などに相談し、情報を提供していただきます。

それを受け行政では現状を確認、必要があれば関係機関と協力して必要な支援やサービスを提供していくというもので、地域のみんなの支え合いによって、誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めるということです。

他人との接点が少ない今の時代、一歩間違えれば大きなお世話と言えることかも知れません。

しかし、3月11日に発生した東日本大震災。あの大きな揺れに伴う被害とその後の混乱、生活基盤の喪失といった状況下で、比較的落ち着いて行動できたのは、隣近所との声の掛け合い、ちょっとした助け合い、まとまった行動、情報の共有といった、地域の人と人のつながりだったと思います。

本町では、震災の翌日には各地区の区長さんから、各区内の安否情報や被害の概要を報告していただくことができました。災害対策本部の設置をし、行政でも当然、被害調査・把握、すばやい対応・対策に努めていましたが、各地区の区長さんが地域の皆さんと顔を合わせて集めてくれた情報は、行政にとっても非常に貴重で有難いもので、今年、町が提唱した見守りネットワークがうまく機能した一例だと自負しております。

また、区長さんが各家庭を訪問したことは地域の皆さん、特にひとり暮らしの高齢者や不安を抱えた方々には非常に心強かったことと思います。

震災を機に改めて、隣近所のありがたさ、近所付き合いの重要性を再認識したところでした。

見守りネットワークは昔へ逆戻りしようとしているのではありません。

今ある文化的生活、生活習慣はそのままに、何かあった時は相身互(あいみたが)い、互助の精神で助け合う。地域一帯で、地域住民が自ら安心した暮らしを守りましょうということです。

日本に昔からある考え方「結(ゆい)」とか「絆」や「縁」が改めて今でも通用するのだということ。先人の知恵は今でも生きているという観点から、古き良き時代に逆戻りするのではなく、先人の知恵を活用して今の時代に活かすことが大事ではないかと考えます。

また、地域コミュニティの最小単位は、「向こう三軒両隣」です。

このようなつき合い方は、災害時の対応のためだけではなく、普段の生活、人付き合いや人間形成、地域コミュニティの形成にも役立つのではないかと思います。

小さな町の良さを活かし、住みなれたまちで、安心して幸せに暮らしていただけるよう、見守りネットワークにより「支えあい・助け合える地域づくり」を進めていきたい。