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 まちづくりに翔ける思い

印刷用ページを表示する 掲載日:2009年10月12日

まちづくりに翔ける想い


山形県最上町長  髙橋 重美




最上町は山形県の北東部に位置し、宮城県大崎市(旧鳴子町)と接している県境の町です。面積は330平方キロメートル、人口は10,500人、面積の84%が山林に囲まれた農村の町であります。また、温泉の町でもあり、弁慶・義経一行が平泉に下る時、北の方様が産気づいて、産湯を発見したといわれる瀬見温泉、松尾芭蕉のゆかりの地として、また、 慈覚大師が発見したといわれる赤倉温泉、いずれも1,000年以上の歴史のある温泉を有する大堀温泉など温泉の町でもあります。「健康と福祉のまちづくり」を基本理念に環境というコンセプトを据え、持続可能なまちづくりを目指そう、を合い言葉に頑張っているところであります。

「人に優しいまちづくり」「食に優 しいまちづくり」「環境に優しいまちづくり」の三つの基本方針を立てながら、農業・商業・観光が一体となった町づくり、基幹産業を中心に、農業の総合産業化、農商工の連携、産学官の連携を図りながら、地の利を活かして元気な町にしていきたいと思います。

健康と福祉のまちづくりの基礎は前任町長の中村仁氏の財産であります。私はそれを受けて生涯現役で頑張れるまちづくり、子どもからお年寄りまで健康で、人と人の絆を大切にしながら、社会全体でみんなで支え合う・助け合う町づくりを目指し、町全体の仕組みづくりの中で「三世代が同居して働き住み続けられる町」にしたいと考えているところであります。

我が最上地域は1市4町3村の広域圏で形成しております。今回の合併には与しないで改めてそれぞれの町村が自立の道を選択しました。今 後は改めて8市町村が広域連携の中で8倍の魅力づくりの提案に市町村長一丸となっているところであります。

その意味で最上町は、この21年度を自立元年の年と位置づけ、四方山に囲まれたカルデラの町を、屋根のない「田園空間博物館」に見立てて、人・物・文化が輝き続ける町にしようと宣言させていただきました。そしていつも町民に、博物館の魅力の最も大事な基本は何ですか?と問いかけます。博物館の魅力の基本は、物や建物ではない。博物館の魅力の基本は人であります。そのことが、あそこに行けばあの人に会える、あそこに行けばどこにもない美味しい物を食べさせてもらえる、文化に触れられる、だから行ってみようとなる訳であり、町民一人ひとりがこの町に住むことに自信と誇りを持つことが何よりも重要な事と考えます。

同時に「一心響音」。1人2人の 楽器で演奏しても心に響きません。みんなが持てる力を出して演奏することで心に響く演奏が出来るということ。まさしく「一心響音」であり、その自治の原点は集落であります。

私は就任と同時に、全職員を各集 落の協働隊として集落担当制を実施しました。自治協働のまちづくり、そこには職員と町民の信頼が基本であり、財政的にも大変厳しい状況の中で、いかに力強いまちづくりを推進するか、極めて大変な時代でもあり、住み続ける自信と気迫が求められる時代でもあり、ある意味ピンチがチャンスでもあります。

その意味で今年重点事業の1つとして、「集落活性化支援事業」を立 ち上げたところであります。一集落50万円の補助金を出し、改めてそれぞれの集落の魅力づくりを発見していただく、磨きをかけていただく、40集落がそれぞれ計画づくりと実践活動を展開しているところであります。

ある集落は「文化交流会」と称して集落の子どもたちに将来の夢を絵に描かせ発表し、皆で伸ばそうとしている姿、子どもからお年寄りまで一同に会して、伝統文化を発表しながら村の歩みを検証している姿、ある集落は都市との交流を目指して山村留学を企画し、そこに人と人との交流を通して地域に住むことへの自信と誇りを取り戻そうとしている姿、ある集落は村の歴史をDVDにまとめ歴史を次の世代に伝えると共に、町出身者に販売し、そのことがキッカケとなり、農産物宅配事業まで進めようとしている集落、ある集落は町からの現物支給で農道を整備したり、通学路の道路の側溝に安全対策として鉄筋を溶接し子ども達と一緒に蓋をかけた集落、花一杯運動や魅力ある環境づくりに集落挙げて取り組んでいる姿に勇気づけられる思いをしているところであります。 

国は一律の補助金のばらまきはありませんが、アイディアのある町村についてはキチッと見ていただけると確信をいたしております。まさしく アイディア競争の時代であります。

都市と農村の共生、均衡ある国の発展は、国づくりの責任であります。今回、東北圏の広域地方計画の取りまとめを見させていただきましたが、今後の東北地方の発展計画の基本は環境というコンセプトを基本に、ものづくりと観光という取りまとめであります。