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 「ふるさと応援団」クラブオリーブ

印刷用ページを表示する 掲載日:2009年2月16日

香川県小豆島町長  坂下 一朗


わが小豆島町は、旧内海町と旧池田町が合併して平成18年3月に誕生した、豊かな自然に恵まれた町である。
小豆島町は日本におけるオリーブ栽培発祥の地として知られているが、昨年、明治41年にオリーブが根付いてから100周年という大きな節目の年を迎え、これを記念して、昨年4月から今年の3月まで「オリーブ100年祭」として、島を挙げて各種のイベントに取り組んでいる。その中の大きなイベントとして、オリーブの実の収穫を祝うオリーブ収穫祭があり、この機会をとらえて、かねてから温めていた構想である「ふるさと応援団」クラブオリーブの設立総会を開催した。
小豆島以外の方と話している時、何なにさんは小豆島の人ですよと教えてもらうことがある。それは意外なところで小豆島出身の人が活躍しているということであるし、ふるさとに誇りを持っていただいているということでもあると思う。
クラブオリーブは、住民の皆さんと、小豆島町出身者をはじめとする小豆島町にかかわりのある方が一緒になって小豆島町を見つめなおし、新たな価値観を創りだすとともに、地域に対する愛情や誇りを育み、ひいては幅広い分野で、個性的かつ魅力的な地域づくりを行っていこうという取り組みである。
小豆島の外で活動している小豆島関係の主な団体としては、東京をはじめ大阪、兵庫、さぬきの各小豆島会、島内に2校ある高校の同窓会があり、それぞれ活発に活動し、時間の許す限り私も参加してきた。しかし、小豆島会や同窓会は東京や大阪など、地域別の組織であって、それぞれ相互に連携する機会がないこと、また、名古屋や中国地方など、組織化されていない地域も多くあることなどから、広く全国から会員を募るふるさと応援団を設立し、オリーブ100年祭のクライマックスであるオリーブ収穫祭の機会に、一同に会していただこうと考えたのである。
設立するクラブオリーブの概要であるが、会費は無料とした上で、オフィシャルサポーター、オフィシャルアドバイザー、オフィシャルスポンサーの3種類の会員を募集し、会員にはオフィシャルカードを発行するとともに、町からの情報提供や観光施設入場料・地元特産品の割引などの特典を設けることとした。また、具体的な活動としては、町が進めようとしているプロジェクトなどに関して意見交換の場を設けることに加え、地元特産品の愛用運動、それぞれお住まいの地域での小豆島PR活動などをお願いしたいと考えている。
迎えたオリーブ収穫祭当日。それぞれ多忙な方々に全国各地から大勢集まっていただいたが、一部上場企業の経営者、中央官庁官僚や大学教授などなど、顔ぶれはまことに多彩で、小豆島町出身の人材の豊富さを改めて感じたところである。初めて話をする方も多かったが、同じふるさとを持つ者同士、話をするほどに親しくなり、時の経つのも忘れるくらい楽しいひとときであった。それぞれふるさとを想う気持ちは熱いものがあることが感じられたし、また、小豆島から外の世界へ出て大いに活躍されている方たちであるので、新鮮かつ重みのある意見を多数いただき、まちづくりに関しても大変参考になる1日となった。
今年からふるさと納税制度が始まったが、クラブオリーブ発足を機に、小豆島町に対してふるさと納税をしてくれた方もおられ、これはまことにありがたく、望外の喜びであった。クラブオリーブはまだ発足したばかりであり、成果はこれからの活動にかかっているが、大きな手応えを感じている。小豆島町では移住交流の推進にも力を入れており、現在11世帯・24名の方の移住が実現している。この輪がもっともっと広がり、住民の皆さんと移住してきた方、それにクラブオリーブの方々がひとつとなることで新たな発想を生み、ふるさと小豆島町の発展につながることを大いに期待しているとこ ろである。