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 町づくりについて想う

印刷用ページを表示する 掲載日:2008年2月25日

町づくりについて想う

愛知県幸田町長 近藤 徳光


私の住む町、幸田町は、愛知県のほぼ中央に位置し、名古屋市から南へおよそ45キロ地点にあり、岡崎市、西尾市、そして蒲郡市等に隣接し、行政堺を標高200~300メートルの三河湾国定公園遠望峰山、三ヶ根山等で囲まれ、町の中央部を南北に流れる広田川に沿って平野が広がり、集落が点在しております。

面積は56平方キロで、山林が約4割を占め、人口は36,000余りであります。人口減少社会にあって、本町は毎年増加しており大変ありがたく思っています。かつては、町の中心部に繊維会社がありましたが、大半は農業が主の町でありました。昭和35年頃からであったでしょうか、先輩たちが町の将来を憂い、財政基盤の強化を図る必要から企業誘致に努めたことと、在来のJR東海道線二駅があり、さらに最近になり3つめの新駅誘致の実現の可能性が高まったこと等が人口増加の要因であろうと思います。私は、自然に恵まれ住まうに便利なこの町が大好きであり、誇りに思っています。

一昨年策定した第5次総合計画では人口5万人を目標とする町の将来像を「人と自然を大切にする緑住文化都市」として、持続可能な町づくりの実現に取り組んでおります。昨今無駄な公共事業が批判をされていますが、私は本町にとって新駅誘致と老朽化した幸田駅前再開発は、半世紀に亘る町の宿願でもあり、今後の町勢発展の中核基盤をなす重要なプロジェクトで、財政的には大変厳しいものがありますが、重点的にその推進に全力で取り組んでおるところであります。

今日、少子高齢化の進展等に伴い、社会保障、特に福祉、医療、教育等は行政の最重要課題となっております。各市町村はさまざまな面で住民ニーズに応える施策を講じておられます。私共もこの分野は人命、暮らしに直接関わる問題でもあり、子育て、高齢者対策など近隣市町村に遅れをとらないよう極力留意し、その要望に応える努力をしています。しかしこの分野は、レベルを引き上げれば恒常的な財政負担が伴い苦しい財政運営を強いられます。財源には限りがあり、二兎を追う者は一兎をも得ずとか、財布内での安全なやりくりは財政の常識とは心得ていますが、事業投資にはタイミングがあります。いずれも避けて通れず、今は二兎を追うため頑張る所存であります。ただ私は社会保障の分野に限っては地方分権社会に逆らうかもしれませんが、地域間の格差是正の面からも全国どこに住んでいても等しく安心して行政サービスが受けられるような制度にしておくべきだと思います。身勝手な考えかもしれませんが、いかがでしょうか。勿論、各市町村の応分の負担は大前提であります。

市町村合併の問題でありますが、本町も例外ではなく、平成16年広域市町村圏を単位に1市2町の合併に向けての調査・検討をいたしましたが、本町は他の隣接市町との関係もあり離脱することとしました。この決断をするには率直に言って悩みました。事前に議会や住民の意向を伺ってのことでしたが、将来に亘って町の存続が可能かどうか。合併の最大の効果は行政の効率化であろうと思いますが、市町村にはそれぞれ長い歴史と文化・風土・人情等があり、又、誇りもあります。合併は、同等規模の自治体が一緒になるのであればさほど抵抗は無いと思いますが、格差があり、吸収、編入になると大変難しい問題であると痛切に感じました。

今後更なる地方分権社会への進展、道州制への動き等の如何によっては、このまま1町でいけるか常に一抹の不安はつきまといます。本町は財政的に恵まれていると言われますが、総合病院はなく、ゴミ処理、火葬、下水道を隣接する市に一部をお願いしており、決して楽観できる状態ではありません。広域連携の途を探るべきか明確な方向が出せない毎日でありジレンマも覚えます。昨年11月9日新聞各社に報道された東海財務局の調査によると管内4県(愛知・岐阜・三重・静岡)176市町村の人口増減率や財政力、住宅着工戸数、一人当たりの生産額等を数値化した「経済力」ランキングにおいて、本町は4位でありました。大変心強くこの勢いを力に本町の将来がさらに夢と希望の持てる町になるよう最善の努力を傾けてまいりたいと考えています。人の意見は様々でありますが古い言葉に「万機公論に決すべし」とか。広く町民のみなさんとの議論を重ねながら、結論は遅くとも衆知を尽くし納得合意の上、行政運営に努めてまいります。この厳しい難局を一歩ずつ解決しながら着実に前進して行くことが、明るい未来に繋がると信じて頑張る所存であります。