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 きらりと輝き続ける

印刷用ページを表示する 掲載日:2007年8月6日

きらりと輝き続ける

山形県山辺町長  遠藤 直幸


出羽丘陵にいち早くそそぐ朝の光を浴びての散歩は、私にとって至福のひと時であり、町の動きを確かめる一日の元気の始まりです。

山形県中央部、山形盆地の西側、出羽丘陵の東斜面に広がるのが、山辺町です。県都山形市に隣接し、山形新幹線の発着するJR山形駅まで車で十数分という位置にあります。 

江戸時代には、山形城主最上義光の第四子山野辺義忠が、山野辺城主として現在の山辺町の外郭を形成し市や灌漑事業、手工業などを勧業したとされています。その後、最上家の改易に伴い、義忠公は徳川家光の命により、徳川水戸家に出仕、水戸光圀公の教導役となり、末裔は徳川幕府終期の助川海防城(現・日立市)の海防総司として入部し城主となっています。そうした歴史の縁により、茨城県日立市と友好都市の盟約を交わし、産業経済、文化、教育の交流を盛んにさせていただいています。

お蔭様で、山辺町にお越しいただく遠来の方々からは、不思議な力、熱い何かを感じる町ですねと感想お聞きすることが度々ございます。

その感想や思いを辿ると、第一に山形県一の長寿の町で、元気なお年寄りの姿が目に付く町であること。 

第二に、人口減少化時代に入ったにもかかわらず、人口増が見込める不思議な町として、大学院や農水省の研究機関が、調査に来町されたこと。山形県の統計資料の指標では、人口、世帯共に県内第二位の増加率を示していること。

第三に、近年優秀な若いドクターが次々に診療所を開設され、産婦人科を除く全診療科目の診療施設がそろう状況にあり、救急車で十数分の近さに複数の県都中核高度医療機関があり、連携がなされていること。

第四に、介護施設を含め老人福祉施設は、民間を含めると充足率は県内トップクラスであり、保育所、幼稚園も充分あること。

このように、県都に隣接し東斜面という朝の光が一番先に注ぎ込む生活環境、地盤も安定し自然災害も少ない安住の地としての最適性に、現代のニューファミリー層の方々も認められ、山辺町に生活の場を求められている傾向があること。

雪国山形にあって、比較的降雪量の少ない市街地のため、民間の宅地分譲を含め順調に推移したことから、現在役場庁舎西側一帯の嶋ノ前地区(約二十二㌶)に緑ヶ丘ニュータウンを組合施行で順次分譲を行っていますが、お蔭様で順調に新しいご家族、町民をお迎えいたしています。

産業については、山形県の代表的特産品であるサクランボは、品質日本一であり、皇室献上サクランボの里として、『やまのべ産』は市場贈答ブランドになっています。お米についても、山形米の食味ブランドとして毎年県内トップクラスの評価をいただいています。こうした取り組みの一環として、一日千人を超す利用者でにぎわう山辺温泉に開設した温泉産直市も、大勢の方々にご利用いただき農家の方々も元気付いてきています。

都市近郊の市街地の広がりを持つ傍ら、豊かな湧水をはぐくむ中山間地域は、豊かな自然がそのまま残されています。県立自然学習園を中核とした県民の森やラベンダー園、県内屈指の景観を誇る山形ゴルフ倶楽部などがあり、自然とレジャーを満喫できる魅力もあります。

近年では、湧水と高冷地特有の気候に育てられた花卉やわさび、そして上海ガニの養殖、どぶろく特区の認定。こうした地域の方々の取り組みを始め、山菜や高冷地野菜などの直売所が随所で運営されるようになるなど、都市近郊の中山間地域は、いよいよ面白く目が離せないような地域間交流が起きつつあり、そこに暮らす人々の目にも輝きを感じるようになってきています。

誰でも、何でも話し合える、助け合える、力を合わせられる地域コミュニティは、住む人の心を豊かにしてくれるものです。その広く感性の高い町民性が、山辺町のかけがえのない財産でもあります。

行政だのみでない町民気質は、あらゆるところに見えます。

その典型として、教育に対する熱意は地域指導でことのほか強いこと。祭やイベントでは、町民主導で創られてきていること。

関東東北一円から参加者が集う、全日本どろんこバレーボール大会の開催運営。友好都市日立市に学び、千人を超す踊り子が演舞する舞祭『アガスケダンス』。 こうしたことすべて、山辺町は先取の気質旺盛な町民の方々により取組まれ、町民が呼応支援し、行政は黒子的にバックアップしています。

今年三月に策定いたしました第四次山辺町総合計画は、こうした町民性を最大限に発揮してもらうため、多くの町民各層に策定作業にかかわっていただき、行政側の職員と盛んな意見交換をしていただきました。 

この結果、これまでご紹介してまいりましたように、それぞれの場面、立場などでの協働の意義の大切さをつくり育て、伝えていかなければならないということから、基本理念を『きらりと輝き続ける、協働のまちづくり』としました。

特に、『きらりと輝き続ける』は、さらなる地域コミュニティ活動を通した地域自治の充実拡大を進めていく中で、夢と意欲と熱意にあふれ、町民一人ひとりが支え合い、心かよう活力ある地域社会の建設を、将来のまちづくりの望ましい姿として展望していくことにあり、町民一人ひとりも、それぞれの立場できらりと輝き続けていってほしいと願った私自身の施政信念の思いと合致したものとなっています。