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 ウォーキングのすすめ

印刷用ページを表示する 掲載日:2007年7月9日

ウオーキングのすすめ

福井県若狭町長  千田千代和

現今の日本は世界的に見ると政治経済が安定し、資源が乏しい国ながら物質的にも何不自由なく生活することができる極めて豊かで住みよい国である。   

そんな中、お金や他人の力ではどうしようもないのが自分の健康維持であろう。複雑且つストレスのたまる現代のような社会になればなるほど、健康を害する人が多くなってきている。因みに昔の人は亡くなる一歩手前でなければ病院には行かなかったが、今では充実した医療機関のおかげで健康管理のための人間ドックまでもが大繁盛する時代である。そして飽食のつけが引き起こす生活習慣病のために医療費が増大し、医療財政を大きく圧迫している。   

これを解消するには、まず自分の健康は自分で守るという基本に立ち返らなければならない。かくいう自分も以前医者からいわゆる贅沢病といわれる糖尿病を宣告され、食事療法や運動を指導されている始末である。元来、アルコールを受付けない体質であり油断をしていたのが原因であろうが、それから毎朝ウオーキングに汗を流すことがライフワークとなった。   

通常は毎朝5時ごろに起床し1時間余り自宅周辺を歩く。帰宅して冷水シャワーを浴び朝食を摂って公務に向かうが、冬でも冷水シャワーを浴びると身体がシャキッとして温かくなりめったに風邪をひかなくなった。出張時にもなるだけ場所を選んで歩くように心がけている。冬になると朝5時ではまだ暗い上に外は寒く布団の温かさから抜け出しにくいが、近所からウオーキング仲間が集まってくるので、あまり苦にはならずに今日まで続いている。   

私が、ウオーキングを始めたきっかけは健康づくりということもあるが、もう一つの理由は若狭町はウオーキングの町でもあるからである。若狭町は福井県の南西部「若狭湾国定公園」の真ん中に位置し、名勝三方五湖という観光地を抱え昭和60年には三方五湖周遊道路が「日本の道100選」に選ばれた。これを契機にウオーキングを奨励しようという機運が高まり毎年大会が開かれるようになった。平成5年には日本マーチングリーグ公認で全国15箇所の内の一つ「三方五湖ツーデーマーチ」に昇格し、全国から多くのウオ―カー達で賑わうようになった。大会は5キロから40キロまでの4コースに分かれて毎年5月の第2土・日に開催されている。今年も5月19、20日の両日、延べ5,000人近い全国のウオーカーをお迎えし開催したが、前々日には準備したテントがほとんど壊れるなどあいにく雨と風にたたられた2日間であった。   

町外からのウオーカーには町内115軒の漁家民宿に分宿いただき、疲れた身体を日本海の海の幸と素朴な人情で癒していただいた。悪天候にもかかわらず町民挙げての応対に、お客様からは「来年も楽しみにしているよ」と、これまでの苦労も吹っ飛ぶうれしい声を聞くこともできた。町としてもウオーキングの先進地として一層皆さんに喜ばれるよう、施設の充実など受け入れ体制を整えていきたいと考えている。   

団塊の世代の退職などにより、全国的に高齢者のウオーキング熱が高まっているが、肥満解消や寝たきり防止など身体的な健康のみならず、ストレスホルモンから脳を守り鍛える効果もあると言われており、またグループで歩くことにより日頃疎遠になりがちな人間関係回復の場となるなど、多くの相乗効果が期待されているところである。   

ウオーキングで健康を維持するにはまず無理をしないことである。例えば冬の寒い早朝などは高血圧の人は避けたほうが良いとも言われている。自分の身体に合った距離や速度、時間を設定し「楽しく歩く」、これが健康を維持するウオーキングの基本でなかろうか。