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 笑顔に出会える町をめざして

印刷用ページを表示する 掲載日:2007年4月16日

三重県 川越町長  山田 信博
みなさんは「川越町」、と聞いてどんな町を思い浮かべますか?
ご存知の方も見えると思いますが、簡単に紹介いたしますと、当町は三重県の北部に位置し、人口1万3千人、面積8.71平方kmの町で、過去には昭和34年の伊勢湾台風によって町全体に甚大な被害を受けました。その後、二度とこのような悲惨な目にあわないように、根本的な災害対策として地先の埋め立てが行われ、完成した埋立地に、クリーンエネルギーと言われる液化天然ガス(LNG)を燃料とした中部電力(株)川越火力発電所など、多数の企業を誘致してまいりました。先人のご努力により、財政力指数は1.591となり、世界に誇る火力発電所のある川越町をご存知の方には、「電力のまち」という印象があるかと思います。近年は、このような財政力を活かし、環境整備に力を注いでまいりました。川越南小学校や、川越中学校校舎の耐震補強工事はもとより、川越北小学校校舎については、自然やエネルギー、リサイクルという環境教育にも繋がる発想を取り入れた『エコスクール』として建て替えを行いました。他にも川越北部保育所、川越幼稚園の建て替えなど、未来への宝である子どもを安心して育てられる環境の整備に力を注いでまいりました。環境の整いつつある今後は、より一層の教育体制の充実を図り、子どもたちが将来、大人になっても川越町がふるさとであると誇れるような町にしていきたいと思っています。
さて、冒頭でも触れましたが、過去に伊勢湾台風による被害を受けており、防災については常日頃より特に重きを置いています。現在は、東海、東南海地震への対策を視野に入れ、町防災計画に基づく防災体制の充実を図るため、町内の自治会及び消防団員等を対象に、「町民防災塾」を3年間にわたり開催し、町民個々が発災直後に自らの命を守り、地域で助け合うことのできる「地域防災力」の向上に努めて参りました。私も一人の町民として、安心して暮らせる町であってほしいと願っています。
その思いを、町長として「安心・安全なまちづくり」施策に取り入れています。
今、川越町は大きく変化しています。町には国道1号線と23号線の主要幹線が通っておりもとより交通の便が良かったのですが、伊勢湾岸自動車道と北勢バイパスの整備によって、遠方へのアクセスも便利になりました。
今後も町唯一の駅である近鉄豊洲原駅整備などによって、町の景観は大きく変貌するでしょう。しかし、どんなに景観が変わろうと、そこに住む「人」こそが大切なのであり、「人」こそが町の源であると思います。私は町長に就任して以来10年間、健康のために毎朝ウォーキングを続けていますが、毎日歩いている景色がどんどんかわっていくのを感じながら、その途中で出会い、ふれあう町民のみなさんとの絆がかわらないこと、人の温かさがかわらないことを実感しています。「人」が大切だからこそ、「人」を育てる町をしっかりと創っていきたいと思います。私は趣味で野菜を作っていますが、町も野菜も、常に愛情を注ぎ、時間と手間をかけて育てなければ、うまく育たないものです。行政サービスの拠点として、2007年に川越町役場新庁舎も完成し、人を育てる・町を育てる準備は整ってきました。今後は、国によって進められている地方分権型社会へと変化していく激動の時代の中、町民のみなさんのニーズを的確に具現化するため、行政として様々な問題に取り組みながら、たくさんの笑顔に会える、そんな町に川越町を育てて行きたいと思っています。