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宇宙ロケットエンジン

印刷用ページを表示する 掲載日:2005年6月6日

宇宙ロケットエンジン

秋田県田代町長 吉田 光明


平成17年2月26日、種子島宇宙センターから打ち上げられた、H-ⅡAロケットの打ち上げが成功した。

H-ⅡA ロケット打ち上げに使用される主力エンジンLE-7Aを開発しているのが三菱重工業株式会社名古屋誘導推進システム製作所であり、LE-7Aエンジン開発のための燃焼試験を実施しているのが、秋田県田代町の田代燃焼試験場である。

H-ⅡAロケット打ち上げの土台の役割を担っている田代試験場は、秋田県と青森県の県境に位置する田代町澄川地区に昭和51年に開設され、N-Ⅰ 、N-Ⅱ、H-Ⅰ、H-ⅡAロケット用エンジンの開発を経て、現在はH-ⅡAロケットの第一段及び第二段推進システムと、LE-5B、LE-7Aエンジンの燃焼試験を実施している。

昭和51年に完成した第一試験場では、N-Ⅰロケットの第二段推進システムとLE-3エンジンの燃焼試験を実施し、さらには、昭和53年に完成した第二試験場では、H-Ⅰ、H-Ⅱロケットの第一段及び第二段推進システムと、LE-5、LE-5A 、LE-7エンジンの燃焼試験を実施し、その後、H-ⅡAロケットの第一段及び第二段推進システムと、LE-5B、LE-7Aエンジンの燃焼試験を実施している。その燃焼試験の成果がロケット打ち上げ成功のカギとなっているのである。

田代試験場が開設されてから今年で30年目を迎え、30周年記念式典が開催されたので、席上での私のあいさつを紹介し、田代町から発信した国産ロケットエンジンの開発が、世界に向けて羽ばたくことを期待したい。

「開設当時を振り返るとき、田代町に宇宙開発の基地として、ロケットエンジン燃焼試験場のお話があり、調査の結果、最適地であるとのことから、当時積極的に勧誘をしてくださいました、当町の名誉町民・元秋田県知事小畑勇二郎氏のご尽力と、当時の宇宙開発事業団並びに三菱重工業様のご厚意に感謝申し上げる次第であります。施設を拡充されながら、数多くのエンジン燃焼試験を重ね、世界一の性能を誇る国産ロケットエンジンの開発を成功に導きましたことは、この田代試験場抜きにして、我が国の宇宙開発は語れないところであり、私たち田代町民の誇りとするところであります。

また、田代試験場があることから、「青少年に宇宙の夢を・・・」との思いもあり、ロケット打ち上げ基地のある鹿児島県南種子島町との友好町の宣言を行い、交流を続けているところであり、これまで530人余りの町民が南種子島町を訪問しています。田代町は種子島宇宙センターからロケットが打ち上げられるたびに成功を祈り、期待しております。特に本年2月26日の7号機の打ち上げ成功は、今後の打ち上げに大きな弾みとなるものであり、心からお慶びを申し上げます。

田代町は6月20日に大館市・比内町と合併し、新生大館市となりますが、本日向こう10年間の試験場用地をお使いいただけるよう、契約更新をいたしました。これまで以上のご活用をいただき、我が国の宇宙開発に少しでもお役立ていただければ幸いであります。