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 村長就任、4年間を振り返って

印刷用ページを表示する 掲載日:2004年7月5日

村長就任、4年間を振り返って

沖縄県今帰仁村長 仲里 吉徳


平成12年8月今帰仁村長選挙に初当選し、村長に就任しましたが、月日の経つのは早いもので、任期もあと1ヶ月を残すのみとなりました。

これまでを振り返って見ると、日本経済はいまだ景気が長期にわたって低迷し、失業率も依然として高水準で推移している社会情勢にあります。

このように経済的にも非常に厳しい時期に私は本村の舵取りをまかされ、その責任の重大さをひしひしと感じている今日この頃です。

まず、私の就任とともに、全国各地で市町村合併の気運が高まり、多くの市町村が合併論議に揺れていました。また、国の三位一体改革による地方交付税の大幅削減、補助事業等への補助金の削減がどんどん進められている。その一方、税源移譲は遅々として進まず、自主財源比率16.5%で地方交付税、国庫補助金等の依存財源に大きく頼っている本村にとって、各年度の予算編成は大変厳しいものがありました。そのため就任当初15億円近くもあった基金が年々取り崩され、平成16年3月末には9億7千万円まで激減、今後の財政運営に大きな危機感をもって臨まなければなりません。

また、平成17年3月31日をもって過疎地域指定からも除外され、過疎債も使えなくなることから、補助事業等を推進する上で大きな打撃となっております。 

一方、市町村合併につきましても、現在北部12市町村の合併の枠組みを想定して名護市を中心に北部地区合併問題研究会を設置し、担当課長及び助役レベルでの検討会を行っている。しかし、各市町村間にはかなり温度差があり、任意協議会、法定協議会設立への道のりは非常に遠く感じられる。このような状況の中で、合併の有無を判断するのも厳しいものがあります。

現在、本村においては村民による新たな村興しの気運が高まりつつあります。村の基幹産業である第1次産業を見直し、恵まれた自然環境を活かしていくとともに、平成12年に世界遺産に登録された今帰仁城跡を中心とした「歴史的遺産・旧名所」などの観光地と農業を結びつけた観光農業の振興。さらには村花であるハイビスカスを利用した苗木生産、花や葉を化粧品・食材などへの活用も実践されている。

今後とも村民参加のもと、新たな視点に立った村興し、地域づくりを目指して全力で取り組んでいきたい。