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 手前味噌

印刷用ページを表示する 掲載日:2004年4月26日

手前味噌

栃木県町村会長
藤原 町長
 八木澤 昭雄

 
栃木県の北部にある藤原町をご存知でしょうか。耳にしたこともないという方が多いかと思いますが、「鬼怒川温泉」、「川治温泉」と言えぱお判りいただけると思います。

藤原町は鬼怒川温泉、川治温泉のある温泉観光地です。町は南北に細長く、中央部を鬼怒川が流れ、その渓谷に沿って国道121号線(今市市から山形県米沢市)と東武鉄道鬼怒川線、野岩鉄道会津鬼怒川線が走っています。国道を北に向かうと、各種のテーマパークが点在する鬼怒川温泉、さらに北上して後ほど紹介いたします景勝地龍王峡を過ぎると川治温泉郷、次は町の最北、三依地区(旧三依村)になります。三依は、福島県南会津郡田島町に隣接し、今なお独特の文化が伝承され、野仏群や一里塚が点在するなど、牧歌的な雰囲気の中にも遠い歴史の面影があちこちに残っているところです。

私は、今年の2月の町長選において、町民の皆様の絶大なるご支援ご声援のもとに5期目の当選を果たしました。町民の皆様が安心して暮らせるまちづくりのため、毎日健康を第一に考え気持ちも新たに頑張っているところです。

私は、町議会議員であった若かりし頃より、毎朝、鬼怒川温泉街を一周するジョギングを日課としています。もともとは、健康管理と増進のためにはじめたことですが、今では、町民の皆様や鬼怒川温泉に訪れたお客様とのふれあいの場、そして町政へのご意見を承る情報収集の場として、私にとっては大切なものとなっています。

長い間ジョギングを続けていると、町の様子の移り変わりやいろいろな出来事にも遭遇しました。木造の旅館、ホテルは近代的な高層建築に変わり、砂利道は舗装道路に、そして現在では観光地のイメージアップを意識した特殊舗装が施され、また交通渋滞の解消と住民生活の安全向上のためのバイパスが建設されるなど、目まぐるしく変貌しました。私は、町の移り変わりを、日々、自らの目と肌で感じることができたのは、挫けずにジョギングを続けてきたお陰であると自分自身に感謝しています。

でも、この頃は寄る年波にも勝てず、また、夜更かしや深酒をした次の日などはずる休みをすることがだいぶ増えましたが、休んだ日は、休むことも健康の秘訣かなと自分なりに勝手に都合の良い解釈をしている次第です。

ある夏の早朝のことでした。凛とした空気と鬼怒川の渓谷から立ち昇る朝霧の中、いつものようにジョギングしていた私は、立岩橋の中央部にかかったところで足を止め、ゆっくりと上流方面に目をやりました。すると朝霧に映えた大小様々な旅館・ホテル群が渓谷に浮き上がり、町並と一体となって現れました。その光景を目の前にして、私は思わず、藤原町は何ていい所なんだ、鬼怒川温泉は何て立派な観光地なんだ、と心の中で自画自賛し、顔をほころばせながらつぶやいていました。

本町は豊かな自然と温泉、様々なテーマパーク、そして景勝地龍王峡など、温泉観光地としての売り物は目白押しです。その中でも龍王峡は私の特に自慢でありお奨めの一つです。

龍王峡は、本県最大の河川である鬼怒川がいく万年もの長い歳月をかけてつくり出した奇岩怪石の自然造形で、遊歩道が川治温泉まで整備され、新緑から夏の緑、秋の紅葉、そして冬景色へと移り行く自然の美を探勝できる岩の公園となっています。渓谷のせせらぎや鳥のさえずりを聞きながら鬼怒川の青い流れに沿って進むと、男鹿川と鬼怒川の合流地点に「薬師の湯」として有名な川治温泉の岩風呂が迎えてくれます。露天風呂でゆっくりと疲れを癒し、川のせせらぎに耳を傾け、川治の町並を眺めながら味わう温泉情緒もまた格別なものです。本当に心が和み、至福の一時を与えてくれます。

是非、多くのお客様に訪れていただき本町のよさを存分に味わっていただきたいと思います。私は藤原町の町長として微力ながらも町づくりに携わっていることに大きな誇りと喜びを感じています。