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 清流と777(スリーセブン)は町の顔

印刷用ページを表示する 掲載日:2003年4月28日

徳島県町村会長
徳島県穴吹町長
 佐藤 宏史

私の町の心臓部を流れる町のシンボル清流穴吹川を心の拠りどころとして町民みんなが気持ちを合わせ、新しい時代を切り拓き、発展してゆく穴吹町を目指しております。実は国土交通省が平成元年から毎年一級河川の水質調査を発表しており、14年間のうち12年が、「水質四国一」という快適な地域の環境は、町の宝であります。
本町ではこれ迄にも住民参加のもとに穴吹川クリーン作戦など環境保全・美化活動に努めた結果、この清流郷への来訪者は、年間20万人を超え、特に夏の河川敷は涼を求める県内外の多くのお客さんで賑わっています。
この穴吹川流域のふれあい広場周辺を拠点地区として、昨年7月27日に全国47都道府県の平成7年7月7日生まれの子どもさんを持つ384家庭、1,715人を迎え、誕生会「777スリーセブンバースディ・イン・あなぶき」と名付けた町始まって以来の全国的な一大イベントを開催いたしました。
国道沿いに「7才おめでとう」の数百本ののぼりを立て、会場まで誘導し、各種設営をした河川敷では中学生を始め1,400人に余るボランティアのスタッフがお迎えしました。
この日のために川をまたいで架けた臨時の木製の橋を家族に手を引かれ小躍りするように渡ってくる子どもたちの姿を目にした時、7年間町民と暖めてきた夢が現実のものであるのだと実感致しました。
7年前、穴吹町の郵便番号「7・7・7」という全国に唯一のラッキーナンバーにちなんで町おこしをしようと、「平成7年7月7日生まれの全国の赤ちゃんへ町の花【百日紅】をプレゼント」する計画を進めようと決めました。
全国の6,000余りの出生届窓口に名簿の送付を依頼したところ、個人のプライバシーに関するという思いもしない問題に遭遇し、本人の了解を得た上で送付いただくべく再依頼をし、その結果、申込みのあった方が予想を上回り2,560人でした。しかし、百日紅の苗木は1,500本しか準備しておらず、この年は先着順にさせていただき、残りのお子さんには、翌年の満1才のお誕生日に贈らせていただきました。
受け取っていただいたお子さん宅では、見知らぬ町からの心温まるプレゼントに感動し、たくさんのお礼状や、来町される家庭もあり、我が町との交流の始まりであります。そこで、子どもが7才(小学校1年生)の夏休みにご招待し、777子どもサミット(後に改称)を開催することにいたしました。
開催まで企画の段階から住民の手作りで取り組もうと「企画委員を若い住民から公募」。半年がかりでの原案をもとに、さらに多くの住民で実施計画を練り、メインセレモニーに続いて町内各地で住民とふれあう体験イベントコース、清流の郷探訪、農家訪問、おはなし広場など個性ある7箇所を設けました。
骨格が決まると、各種団体は一斉に準備に入り、各地域住民は、環境整備から当日の進行まで競合してコースづくりに取り組んでいただきました。また、小学生のお土産用ドングリこまづくりに始まり、全町花づくり、当日歌ってお迎えした歌やビデオの制作など住民の活躍は、数え切れないものでした。
多くの受け入れには、宿泊施設の確保の他、安全、衛生面など関係者の惜しまぬご協力をいただき、住民の総力を挙げて取り組んだこの催しは、参加者から「家族で忘られない7才記念の思い出づくりができた。また訪ねたい」というたくさんのお礼状をいただき、大成功で終了することができ、大きな財産を作ることができました。
全国の子どもたちが20才を迎える時、我が町でのホットな成人式を行うのが次の夢であります。
私の任期4期16年を振り返ると、恵まれた自然と温かい町民性と共に町づくりを進めてきた満足を感じています。