ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 町村長随想 >  人に健康 大地にやさしさ 町に活力を!

 人に健康 大地にやさしさ 町に活力を!

印刷用ページを表示する 掲載日:2002年8月26日

福岡県三輪町長 手柴豊次

三輪町は、福岡県中部に位置する人口12,400人余、農業を基本としながらも、福岡都市圏の影響を受け、年率1~3%の人口増の町です。

町の総合計画では、「環境」「福祉」「人権」「人づくり」そして「農業振興」の5つの指標を掲げています。

なかでも環境は地球規模の課題でありますが、我が町でも私が就任した平成7年5月以前から、2つの大きな問題が起きていました。

1つは、隣市の上流水源地に、民間業者による産廃最終処分場が計画され、それに反対する住民運動があり、私も選挙公約として反対を掲げ、就任後は隣市と協力して、粘り強く県に訴え、業者と話し合い、その用地を買収して一応の解決を見ました。

2つめは、甘木市・朝倉郡・三井郡の九市町村、約13万人を対象とした広域ごみ処理施設が本町山麓部に計画されていたことです。

このような背景から、良くも悪くも本町住民は環境に対する関心が、他地域に比べ高い状況にありました。「ごみ処理工場は必要だが、我が町には造りたくない」のが人情です。

そこで、9市町村で構成する一部事務組合では、5年の歳月をかけ、広く視察研究を深め、平成12年10月に漸く本地域にとって現在考えられる最良の施設として「高温ガス化直接溶融方式」を決定しました。同時に徹底したごみ減らしを実現するため、リサイクルプラザとリサイクル工房も併設し、本年12月1日のダイオキシン規制強化に間に合うよう最後の建設に取り組んでいます。住民の一部には、まだ異をとなえる人もいますが、是非必要な施設であり、徹底した公害対策を実行し、住民の生活と大地を守らねばなりません。

就任以来7年余、環境問題には特に意を用いています。いくつか例をあげますと、下水道は町域の6割強が供用可能となり、河川浄化と健康生活に寄与しています。あと数年で全町完了の予定です。 

平成12年度に「環境基本条例」を制定し、この基本理念を踏まえ、環境基本計画、さらに行動計画を作成して、住民・事業者と三位一体となり推進します。町行政も平成13年10月、庁舎等全施設を対象に「ISO14001」を取得し、現在はNEDOの指導の下、「地域省エネルギービジョン」を作成中で、小中学校を省エネモデル校として、児童生徒にも環境問題を身につけてもらおうと思います。

次は人の健康づくりです。今、大豆で町おこし事業を始めています。本町では46%に及ぶ水田転作がありますが、ほ場整備された水系ごとの大型連たん団地に大豆を作り、良質大豆が多く獲れます。そこで昨年夏から、福岡県工業技術センターが所有する大豆発酵酵母、酵素の特許を使用し、健康食品の研究開発を試み、この6月「カレー・玄米パン・プリン・レアチーズケーキ」の四品目の発売にこぎ着けました。三輪町産大豆のエキスをギュッと詰めこんだ健康食品です。

新聞やテレビも報道し、話題先行の感もありますが、予想を上回る売れ行きです。町の保育所や小中学校の給食にはすでに取り入れ、町内外の保育施設や老健施設でも使ってもらっています。固定客に愛用いただくこれからが本番です。

今、テストランとして、町の第三セクター㈲三輸町農地管理センター「アグリみわ」が事業主体となり、食品製造業者に町産大豆のエキスを持ち込み、OEM(委託)生産していますが、数年後には小さくても自前工場生産が目標です。

今後も、健康と大地を守り、町の活性化を図って参ります。