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 地球でいちばん素敵ないなかまち

印刷用ページを表示する 掲載日:2000年2月14日

岐阜県町村会長 武儀町長 熊澤昌之

日本まん真ん中、岐阜県の中央部に位置し全国の人口重心地にもあたる人口4,500人余、面積65.27平方kmの武儀町が私の町です。

元号が昭和から平成に改められた時、私の町は、元号と同字の地名「平成(へなり)」が全国で唯一存在することから、一躍脚光を浴びた町でもあります。町ではこれを起爆剤に日本平成村を立村し、平成3年1月8日(1月8日は元号が制定された記念日)の立村式には、日本平成村村長に就任をお願いした女優の三田佳子さん、小渕総理大臣(当時官房長官)を迎え盛大に行いました。

元号と同字の平成(へなり)地区には、ふるさと創生資金を活用し、昭和から平成へのかけはし「元号橋」を完成しました。

激動の昭和が終わり平成の時代には何が求められるのかを考え、日本平成村の構想は、「人と自然の共生」をテーマに「地球でいちばん素敵ないなかまち」をキャッチフレーズに掲げ、住民総参加で「エコピア」運動を推進することにしました。

〔エコピアとは、地球環境を考えるエコロジー(ECOLOGY)と情報発信をこだまに託したエコー(ECHO)に理想郷ユートピア(UTOPIA)を合わせた造語です。〕

1. 地球にやさしい町づくり
1. 人にやさしい町づくり
1. 武儀にこだわる町づくり

私は、日本平成村エコピア運動のひとつとして、地球にやさしい町づくりを目指し、全町下水道完備を進めています。地球温暖化による河川水の減少は水質悪化につながり、清流長良川の上流地域に住む私共がまずやらなければならない仕事として、上下水道の整備を公約のひとつに掲げました。この実現に向け、全町下水道マップを作成し、いち早く事業に着手し、平成12年度末には全町全戸に農業集落排水事業による下水道本管工事の埋設、処理場の建設が完了します。今後は、各家庭の水洗化を呼びかけ、平成15年度には全戸加入を目標にしています。

次に、人にやさしい町づくりとして日本平成村花街道センター、平成ふれあいドーム、エコピアセンター、シイタケ生産販売所(原木栽培)を一箇所にまとめて建設した。この観光拠点では、町特産のシイタケ、椎茸すなっく(生シイタケの加工菓子)等の販売、朝市の開設、観光情報の提供、雨天も利用可能なドームでのミニイベント、ゲートボール、フリーマーケットなどを行い、年間の利用者は町の人口の100倍に近い40万人が訪れ、人と人とのふれあいや来訪者との交流が進み、町の活性化と高齢者のいきがいにも結びついています。

3つ目に武儀にこだわる町づくりとして、生涯学習センター(文化ホール、図書館、体育館の3点セット)を建設し、町民だれもが気軽に利用でき、文化活動、サークル活動、伝統芸能の育成に活用しています。利用者は幼児から高齢者まで幅広く、毎日5千人以上の人が利用し、交流の場としても活用の広がりがみられます。

こうして、「地球でいちばん素敵ないなかまち」日本平成村エコピア構想は着実に進んでいます。

森林組合長、議会議員三期を経て、町長として現在3期目が始まったばかりで、昨年6月から県の町村会長の職にありますが、朝晩の山の風景、四季折々の山の姿は私の忙しい毎日の心をいやしてくれます。

しかし、現在の林業をとりまく現状は極めて厳しく、木材価格の低迷、後継者不足等は山林の荒廃、自然環境の崩壊にもつながり、災害に強い山づくり、健全な国土保全のためにも都市と山村、上流地域と下流地域が今後より深い連携を持って、山林を見直すべきと考えています。

水の源となる山林に、国、県が手厚い補助制度を確立し、国民が山林に目を向け感謝する時代こそ、エコロジー、平成の時代ではないでしょうか。