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神集う島神津島

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年1月19日更新

東京都神津島村長 前田 弘東京都神津島村長 前田 弘​​

「神津島の概要」
 上古時代大国主命の長子、積波八重事代主命(三島大明神)は、「国土を天孫ににぎの命に譲り、出雲の国から多数の眷属、随従の神々をひきいて海路はるばる伊豆の国に渡られて伊豆の島々を焼き出し給う」と伝えられています。(伊豆国式内一宮御神威略記)また三宅記には、「先ず第一の島を初島と名付け給う、第二は神々集まり玉いて島々を造り給う事を詮議ありし島なるが故に神集島と名付く、云々」と記されており、この「神集島」が神津島の名の由来とされており、この由来にちなんでの水配り神話があります。

 「昔々「神津島」の天上山の頂に伊豆七島の神様達が集まり水の分配について会議が開かれました。一番早く着いたのは御蔵島の神様、次は新島、三番目は八丈島、四番目は三宅島、五番目は大島でした。最後に、朝寝坊した利島の神様がやってきたときには、水はほとんど残っていませんでした。それを見た利島の神様は怒り、水がわずかに残った池に飛び込んで暴れまわりました。この水が四方八方に飛び散り、神津島ではいたるところから水が湧き出るようになった」と語り継がれています。

 神津島は、東京から178km、伊豆諸島のほぼ中央に位置し、面積18.58km²、周囲22km一島一村の島です。

 島の中央には、花の百名山並びに新日本百名山の一座に名を連ねる天上山をはじめ、宮塚山、高処山、秩父山が座し、急峻で平地が少ない地形となっています。

 島の人口は、昭和30年代の約2,800人をピークに、年々減少し、令和7年11月1日現在1,719人と、過疎化が進んでいます。

「島の持続可能な取組」
 島の主な産業は、農業・漁業・観光業で、各産業とも高齢化や後継者不足により厳しい状況となっています。

 これらを解消し島の持続可能性をめざして、それぞれの取組を展開しています。

  1. 農業の主な換金作物はアシタバ、レザーファンとなっていますが、さらなる農業の活性化をめざして新規就農者の育成や支援を行うとともに、島に適した新たな換金作物を模索しています。またスマート農業基盤の整備により品質管理や労力の軽減を図り持続可能な農業をめざしています。
  2. 漁業は、東京諸島で最も盛んに操業されており、キンメダイを中心に都内の市場に出荷されています。しかし、資源の枯渇や燃料・資材の高騰などにより厳しい漁家経営となっていることから、陸上養殖による「育てる漁業」を模索、東京都と連携した事業展開を図っています。
  3. 観光業は、最盛期には年間10万人弱の来島客がありましたが、現在は45,000人~50,000人で推移しており、夏季シーズン集中型から周年観光をめざして星空保護区・グリーンツーリズムを軸に、全天候型の複合観光施設やワーケーション施設、島内で利用できるライドシェアサービスを展開するなど新たな取組に挑戦しています。

むすびに
 私たちがこれまでに経験したことのない社会状況の中、全国的に少子高齢化と人口減少が問題となっており、本村も例外ではありません。
 そのような状況においても、神津島で暮らすことで、私たち一人ひとりが心身ともに健康で豊かに日々を送れるよう、神津島村が基本理念とする「誰もが健やかで、生き生きと活力のある島づくり」の実現に向けて、農業・漁業・観光業の主要産業の活性化を図ると同時に、インフラ整備や社会福祉、防災、教育の充実等に取り組んでいきます。​