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持続可能な村づくりを目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年4月22日

大阪府千早赤阪村長 南本  斎大阪府千早赤阪村長 南本  斎​​

 千早赤阪村は、大阪府の南東部、南河内地域に位置し、府内最高峰の金剛山(標高1,125m)を有する大阪府唯一の村です。人口は約4,800人、面積は37.30km²で村域の約80%を森林が占めている自然豊かな中山間地域となっています。

 大阪市内中心部まで直線距離で約20km、車で1時間というアクセスの良さから、多くの観光客・登山客が訪れています。金剛山は、1月・2月には頂上付近では樹氷を見ることができます。手軽に登れる山として、毎日出勤前に登山をする人もおり、金剛山登山回数1万回以上という強者もいます。

 千早赤阪村は、南北朝時代に活躍した楠木正成生誕の地と言われています。村内には、楠木正成ゆかりの史跡が多数残っており、村内の小・中学校の校章には、楠木家の家紋「菊水」が用いられるなど、村内外の人々から、「楠公さん」と呼ばれ親しまれています。

 そんな、楠木正成・正行親子のゆかりの地の自治体などが連携を行いながら、交流人口の増加や産業振興、観光振興、文化財の活用などと連動した地域の活性化を図るため、大河ドラマの誘致を行うことを目的に、「楠公さん」大河ドラマ誘致協議会を設立し、誘致活動に取り組んでいます。令和6年1月末時点で、全国68の自治体が加盟、7府県の知事にも顧問としてご参加いただいています。この68の自治体の首長を千早赤阪村に招いてサミットを開催するのが私の夢です。

 国では、令和3年9月にデジタル庁が創設され、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を基本ビジョンに、マイナンバーカードの普及とともに社会全体でデジタル化が急速に進んでいます。高齢化率が約48%と人口の半数近くを占める本村としても、この流れに遅れることなく、行政のデジタル化を大きく加速し、住民サービスの向上、事務の効率化を図っていかなければならないと考えています。行政のデジタル化を進めていくうえで、スマートフォンは欠かすことができないツールとなります。そのため、高齢者を対象に、日常的に楽しみながらスマートフォンを活用できるよう、「押忍!スマホ道場」として、超入門編、入門編、応用編、特別編の4つ講座を定期的に開催し、高齢者のスキルアップとデジタルデバイドの解消に努めています。おかげさまで、大変好評をいただいており、100名を超える方々が受講されています。大阪・関西万博では、会場内でキャッシュレス決済が導入されることから、「TEAM EXPO 2025」共創チャレンジにも登録し、誰もが万博を楽しむことができるように取り組んでいます。

 村内には、平成5年4月に登録された、大阪府第1号の道の駅「ちはやあかさか」があります。道の駅の制度ができ、国の第1回目に登録された103箇所のうちの1つです。今でこそ農産物直売所を備えた道の駅が一般的になっていますが、当時は、まだまだ道の駅が認知されていなかったため、登録に必要な最低限度の要件を満たした、「日本一かわいい道の駅」と命名される程で、売店コーナーも非常に小さなものです。村で採れる野菜は、金剛山から流れ出る河川のミネラルが豊富な一番水を使って作られており、そのため、非常に美味しい野菜やお米ができます。村の野菜、お米を求め、遠方から買いに来ていただけるように、千早赤阪村産のブランド価値を高めていきたいと考えています。そのためには、販売できる場所が必要となってきますので、地域の活性化や交流人口の増加を図るため、道の駅の機能拡充などを含めた新たな交流拠点施設の整備を行い、賑わいづくりを進めていきます。現在、計画策定に取り組んでおり、1日も早い完成を目指しています。

 今後とも、村民の生命・財産を守ることを第一の使命とし、5年先、10年先を見据えた、『協働と参画による自立したむら』づくりに向け、持続可能な村となるよう村政運営に全力で取り組んでまいります。​