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風に吹かれて

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年4月1日

青森県町村会長・七戸町長 小又 勉青森県町村会長・七戸町長 小又 勉
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 今日は朝からいいお天気だ。これだと夕方まで崩れはなさそうだ。しかもほとんど無風、気温も20度前後。よし、最高のツーリング日和。休日でこのような条件の日はめったにありません。もちろん平日では何日かはあります。また、休日でもいい条件の日はありますが、いろいろな公務・イベントが入ります。そんな時はもちろん公務・イベントを優先します(立派)。

 そもそも快適なツーリングは、極端に暑からず寒からず、しかも風のない日です。風の強い日はヘルメットの風切り音が気になります。それ以上に強い風にバイクが煽られ危険です。また、気温15度以下では完全武装でもどこからか冷たい風が入り、長距離のツーリングでは体が冷えてきます。

 したがって、公務もなくお天気もいい日、千載一遇のチャンスは当然ツーリングとなります。そんな年に何回かのチャンス到来であれば、よく磨きこんだわが愛車の出番です。今のバイクはハーレーFXDR114・1860CC、パワーは不足ありません。このバイクは重量が300キロぐらいと排気量にしては比較的軽く、その分ものすごい出足加速です。しっかりハンドルを握っていないと振り切られます。

 車と違って2輪ですから特に始業点検はしっかりとしていざ出発、と思ったらわが女房「私も行く」となりました。後ろに跨ってと思うでしょうが実はそうではありません。実は女房、生意気にも自動二輪の小型免許を持っており、ピンクナンバーのアメリカンタイプのバイクが愛車です。しかし、このクラスは高速道路や高規格道路は走れません。走れるのは一般道路のみです。今回はお天気もいいし高速道路を飛ばして日頃のストレスも飛ばそうと目論んでいましたが、「私も行く」の一言でその目論見は見事叶いませんでした。

 残念ながら、今回も一般道で我慢となります。それでも考えようによっては、一般道のほうがいろいろな景色、いろいろな人を見ることができます。海のそばを走ると磯の香りがしますし、酪農地帯を走ると牛のいい(?)匂いがします。そんな時はツーリングの楽しさを実感します。高速道路は信号もなく快適ではありますが、それもしばらくすると単調すぎて目的地を持たないただのツーリングでは飽きが来ます。やはり、一般道は変化に富んで新たな土地での発見がいくつかあります。

 女房と2人のツーリングは横並びの体系ではなく、少し斜めの縦並びで流れに沿って走りますが、市街地では他の車に割り込まれたり、信号で遅れたりと常に一緒という訳にはいきません。そんな時、かつては携帯電話で連絡を取りましたがこれが非常に不便でした。今はインターコムという便利な器械があり、無線で連絡を取りながら走ります。市街地を抜けると単調になり、つい歌を口ずさむことがあります。当然、それが相手に聞こえるはずで「下手くそ」という声が返ってきます。ともあれ、便利な器械だなあと思います。

「MOTORY ミーティングin 七戸町」にて

 そして、ほどほどに走ったらその土地のおいしいものを食べてあまり遅くならないうちに帰るようにしています。二輪車ですから無理は事故のもと、これだけは絶対守るようにしています。

 さて、私のバイク歴は長いものです。はじめはホンダシャドー1100CC逆輸入車、そのあとハーレーファットボブ1560CC、今のファットボブとはクラスが違うバイクでした。どうせ乗るんだったら一番でかいのに乗りたいと思い、手を伸ばした憧れの1台。排気量は1560CCですが重量が何と400キロを超えるもので、倒したら絶対1人では起こせないという代物です。重量感があり、走れば安定感があってしばらく乗りました。しかし、取り回しが大変でバックギアを付けたりしましたが、やっぱり重すぎるので今のバイクに落ち着きました。

 安全に慎重に走ればバイクは楽しいものです。風を感じます。いい歳になりましたが、これからもいい日を選んでツーリングを楽しみたいと思います。