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余白あります。

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年7月31日

島根県飯南町長 島根県飯南町長 塚原 隆昭​​

飯南町の概要
飯南町は島根県の中南部、広島県との県境に位置し、1,000m級の山々に囲まれた美しい里山と源流の清らかな水に彩られた「生命地域」で、人口4,500人余の小さなまちです。西日本でも有数の豪雪地帯として知られ、スキー場も有する高地に位置しています。


日本一の大しめ縄

日本一の大しめ縄
良質米の生産地である本町は、古くから大しめ縄づくりの技術が伝承されており、縁結びの神様として知られる出雲大社の神楽殿に掛けられている「日本一の大しめ縄」を製作奉納しています。その大きさは長さ13.6m、重さ5.2tと日本最大級、現在掛かる大しめ縄は7本目で、道の駅「頓原」に隣接する「大しめなわ創作館」で地域住民の手作りによって製作されています。館内見学は無料で、工房では全国の神社などから依頼のあった大しめ縄がつくられ、海外からの注文もあります。またミニしめ縄などの製作体験もできます。

住みたい田舎ベストランキング第1位
少子化、出生率の低下は本町にとっても切実な課題であります。今、国は「こども未来戦略方針」によって少子化対策に本腰を入れ始めましたが、本町では出会いの場づくり、結婚・出産祝い金(10万円~50万円)の支給、副食費も含めた全年齢での保育料完全無償化、月5千円分の紙おむつやミルク代など子育て用品の支給、高校生までの医療費無料化など子育て対策に取り組んできました。今後は病後児保育にも取り組みたいと思います。

住まいは若者世代の移住を促すため、本人の希望を聞きながら新築するセミオーダータイプの1戸建て住宅を整備(既に30棟)し、安心して子育てができる環境を提供してきました。また豊富な森林資源を町内循環させるため、ヒノキやスギなどの町産木材を使用した住宅整備に200万円、造成費なども含めると最大で410万円の助成制度も設けているところです。

このような施策から、『田舎暮らしの本』(宝島社、2022年2月)で住みたい田舎ベストランキングで第1位を獲得するなど、毎年人口の1%、約40人の移住につながっています。

地域包括医療ケアの推進
高齢化率は現在45%台で推移しており、数・種類ともに、まちの規模以上に多くの高齢者福祉施設があるのも特徴で、これらを救急告示病院である町立飯南病院が中心となり、院長の「総合」をキーワードに「いつでも、誰でも、どこでも」を合言葉として「地域包括医療ケア」に取り組んでいます。近年介護・福祉人材不足も顕著であることから、各施設間で連携して確保に努められ、町も給付型の奨学金や支度金で支援しています。

保小中高一貫教育
教育では県立の飯南高校を頂点として「保小中高一貫教育」に取り組み、保育所から段階的に身につけさせたい力を育む「キャリアパスポート制度」を導入しています。中高連携型一貫校の飯南高校では、以前生徒数の減少で統廃合の危機もあったことから、存続に向けては専属のコーディネーターを配置するなど10年以上前から魅力化事業に取り組みました。県が進める「しまね留学」制度と協働し、現在は生徒数の半分は町外生・県外生が占め、存続と同時に活力ある高校となっています。今では国公立大学への進学も多く、さらに部活動でも活躍し、特に野球部は昨年の夏の島根大会では甲子園まであと一歩、決勝戦では敗れましたが、まち全体へ元気と笑顔を与えてくれています。

自然を満喫
本町の「森林セラピー」では、ウッドチップが敷き詰められた散策道を歩き、森の中で見る、聴く、嗅ぐ、触る、味わうといった五感を刺激することで、心身ともにリラックスすることができます。夏は冷たい清流に浸りながら登り下りする「シャワークライミング」がお薦めです。自然のウォータースライダーや滝壺へのダイブなど様々な楽しみ方ができるアクティビティです。


ロゴ:余白あります

余白あります。
飯南町をもっと知っていただくために、まちの多彩な魅力を一言で表現する言葉「ブランドメッセージ」を町民の皆さんとつくりました。4つの候補の中から総選挙で「余白あります。」に決定しました。何もないところに「余白」は生まれません。このまちには豊かな自然、美味しい食べ物、伝統文化などたくさんの魅力があります。そして未来に向けてまだまだ進化していく可能性があるまちだということが「余白」という言葉に込められています。自由な発想でまちの魅力を生み出す町民でありたい。いつまでも遊び心を持っていきていきたい。そんな未来へのメッセージです。

飯南町、あいてます。