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新しい創造始動から加速へ

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年1月9日

中嶽弘継熊本県水上村長 中嶽 弘継
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九州中央山地・市房山の山懐に抱かれ、清流球磨川の源を有する水上村は、熊本県の南東部に位置し、東部を宮崎県椎葉村と西米良村に接した自然に恵まれた山村です。

球磨川源流の清冽な水と、肥沃な土地から生まれる、お米、イチゴ、お茶、メロン等の農産物。その農産物で作られた特産物や、おいしい水から作られる球磨焼酎。その他にもシカ肉を使ったジビエ料理やヤマメ料理、豊富な山菜類や椎茸、たけのこ等も自然を生かした自慢の産品です。

現在、農林産品の生産、加工、販売を一貫したプランのもとに事業展開するため、「水上村産業推進機構」を立ち上げ、経済のトレンド確立を目指しています。

例えば、シカ肉を使ったソーセージやジャーキー、桜の塩漬けをあしらった「咲くらジュレ」、企業とコラボしたジビエ餃子とハンバーグ、アイスクリーム等の商品化、流通にまでこぎつけました。

さらに、今年収穫した村産米500袋(ヒノヒカリ)を、高齢者施設や幼稚園に給食サービスを行っている企業に、初めて出荷することができました。

また、県下2番目に高い市房山には、樹齢1000年といわれる幹回りが6m以上もある「市房杉」が立ち並ぶ神秘的なステージがあり、科学的なエビデンスを持つ「森林セラピー基地」に認定されています。目に映るさまざまな木や植物、聞こえてくる沢のせせらぎ、きれいな空気を胸いっぱい吸い、きれいな水で喉を潤し、五感を刺激されて、きっとリフレッシュできるはずです。

平成29年にオープンしたクロスカントリー施設「水上スカイヴィレッジ」は、約1000mの準高地として、中学、高校、大学、実業団陸上部や陸上愛好者などたくさんの方に利用いただいています。スポーツ振興による「合宿の郷づくり」を目指し、市房ダム湖周辺の練習環境整備や、宿泊先である村内の民宿等にご理解とご協力をいただきながら、選手に必要な栄養価の高いジビエ料理の提供も行っています。それに関連し、陸上関係のイベントが盛り上がりを見せています。

山の中を駆け抜けるトレイルランニング「水上マウンテンパーティー」や新春を彩る「奥球磨ロードレース」、今年が第1回となる「奥球磨駅伝」などを開催し、関係人口や交流人口の創出、ひいては水上村のファンづくりという意味で活性化の糸口となっています。また、熊本保健科学大学と包括連携協定を結び、アスリート支援を通した学生教育のほか、村民の健康寿命を延ばす取組や、地方創生の推進を相互連携しながら目指しております。

加えて、令和4年3月には、住民の体力向上とスポーツ振興を目指して、トレーニングジム「サクラヴィレッジ」がオープンしました。歩行浴用25mプールや高・低酸素ルーム、各種トレーニング器具を完備し、専属のトレーナーのもとで、「水上スカイヴィレッジ」との連携も期待しているところです。

また、地方創生事業の1つとして、「お試しワーケーション」にも取り組んでいます。「自然豊かな水上村で暮らし、働き、遊ぶ」をコンセプトに、たくさんの企業の皆さまにお越しいただき、高評価をいただいております。

今後も、本村のさらなる発展に向け、若者からお年寄りまで、あらゆる世代に向けた支援に力を入れながら、SDGsの視点も取り入れ、「自然・環境」「産業・経済」「人間・生活」の調和を保ちながら健全な発展を続けていく「サステナブルな社会」と、ICT基盤創出・移住定住の促進・関係人口の拡大・IT企業サテライトオフィス誘致等、地方創生の確立を目指してまいります。