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ゼロカーボンシティを目指して「緑の循環システム」

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年10月31日

佐藤誠七山形県白鷹町長 佐藤  誠七​​

 

白鷹町は、山形県の南西部、置賜盆地の北部に位置し、東西約17㎞、南北約16㎞のほぼ正方形に近い形をしております。本町は、朝日連峰、白鷹丘陵により三方が山で囲まれた盆地を形成し、その中に水田が広がる自然豊かな町です。春の古典桜、夏の紅花、秋の鮎、冬の蕎麦と、四季それぞれの素材をテーマにした観光4シーズンの推進により、交流人口の拡大が図られています。特に、紅花については、山形県内生産量の約6割を占め、生産量日本一の町として、「日本の紅をつくる町」を掲げ、シラタカ・レッド商品の開発や交流、健康づくり等、紅をテーマとした地域活性化に取り組んでいます。

私は、地元の高校を卒業後、白鷹町職員として企画、商工観光、教育、福祉等さまざまな業務に携わるとともに、県庁や全国過疎地域振興連盟等への出向も経験しました。その際、全国の過疎地域を訪れ、その実態を目の当たりにしたことは私の大きな財産になっております。その後、職員を早期退職し、衆議院議員秘書、町議会議員等を経て、平成20年に白鷹町長に就任いたしました。

私のまちづくりの理念は、町民目線で共に創り上げる「共創のまちづくり」であり、その実現のため「打てば響く町政」をモットーに、徹底した現場主義の町政運営に取り組んでおります。

直近の課題としまして、まずは人口減少対策であります。当町では、今年度よりスタートした、県内初となる保育料の完全無償化をはじめとした安心して子育てできる環境の整備を行っております。また、働く場の確保に向け、産業用地の確保のための調査や、6次産業化を後押しする拠点施設の整備等の取組、子育てや若者世帯が住まう環境整備等により、人口減少対策を総合的に講じ、本町版「職住育近接」の実現に向けた取組を本格化することで、未来につながる暮らしを大切にし、持続可能で、「潤い」=「充足感」を感じることができるまちづくりを進めております。

また過疎地域の持続的発展や、SDGsの視点も踏まえた施策に取り組む中で、地域内で森林資源を持続的に循環させる「緑の循環システム」の構築に積極的に取り組んでまいりました。その最たるものとして、令和元年度に供用開始となりました「白鷹町まちづくり複合施設」が挙げられます。本施設の建設にあたりまして、町産木材を積極的に活用し、伐採から製材、乾燥、施工までのすべての工程に町内企業が携わりました。こうした取組が評価され、令和2年度の木材利用優良施設コンクールにおいて内閣総理大臣賞を受賞いたしました。今後も町内公共施設等の木造化を進めながら、本町の林業・木材産業のさらなる振興を図ってまいります。

さて、本町では、第6次総合計画に基づき、令和2年度に完成した「白鷹大橋」により一体化・中央拠点化した都市軸と、各地域拠点を同心円状に捉えたコンパクト・プラス・ネットワークによるまちづくりの考え方を基本に、各分野の施策のうち、「人づくり」「産業・経済」「地域力」「定住化」の4つの分野を施策の柱としてまちづくりを行っております。また、新型コロナウイルス感染症の克服は、今なお喫緊の課題であり、引き続き迅速・確実なワクチンの追加接種を進めつつ、感染拡大防止及び経済対策に万全を期してまいります。

今後も、人と人とのつながりが生み出す共創のまちづくりの理念のもと、「人、そして地域がつながり 輝き続ける 潤いのまち」の実現に向け、それぞれの特色ある地域資源を活かし、相互補完し連携するまちづくりの考え方を基本に、人材確保、ゼロカーボンシティ、デジタル化推進の視点をもちながら、暮らし・社会・経済が統合する持続可能なまちづくりを目指してまいります。