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わが町『ただおか』

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年4月11日

全景大阪府忠岡町長  杉原 健士​​

忠岡町は、大阪府の西南部、大阪湾に面する臨海平坦部に位置し、泉北郡に唯一属する町です。東西に長く、南北に短い地形でその面積は3・97㎢の「日本一小さなまち」であります。

令和元年、本町は昭和14年の町制から80年、明治22年の忠岡村誕生からは130年という大きな節目を迎えました。町村合併が激しい我が国で100年有余にわたり町域に変更なく現在に至っていることは極めて珍しく、本町の特徴の一つと言えます。その歴史辿ると、明治時代においては主に漁業が、大正から昭和初期にかけては繊維工業が盛んでありました。現在は、大阪中心部の難波や関西国際空港へ電車で約30分という利便性もあり、通勤・通学都市として16、761人(令和4年1月末現在)の人々が暮らしています。

そんな本町では、伝統行事『だんじり祭り』が有名です。この祭礼は江戸時代から始まったとされており、五穀豊穣を祈願して毎年10月に実施しています。だんじりが町内を疾走する光景は圧巻で、毎年多くの観光客でにぎわっています。

芸術文化・歴史にまつわる観光スポットもあります。その一つである正木美術館には、国宝や重要文化財等を含む東洋古美術品約1、300点を収蔵・展示しており、季節に応じて異なる展観を楽しむことができます。また、菅原道真公が主祭神の忠岡神社には、高浜虚子、高浜年尾、稲畑汀子の三代句碑があり、忠岡町のほか、兵庫県芦屋市、福岡県筑紫野市にしかない大変貴重なものです。

本町は、観光地や公共施設等が集約されたコンパクトな町です。前述以外の観光地等についても気軽に散策することができますので、お越しの際はぜひお立ち寄りください。

この歴史情緒溢れる本町より、多くのスポーツ選手を輩出しています。メジャーリーガーの前田健太投手をはじめ、長野オリンピックでスピードスケート・ショートトラック500m金メダリストの西谷岳文氏、1985年世界柔道選手権大会無差別級等で優勝された正木嘉美氏、福岡ソフトバンクホークス1軍監督の藤本博史氏等多くの著名人が活躍されています。また、芸術文化においては、フラワーアレンジメントと生け花を融合した「装花」の分野を開拓された花人の赤井勝氏等がご出身です。著名人の活躍は私たち町民にとっても大きな誇りであり、今後ますますの活躍を期待しているところであります。

私が令和2年10月に第12代忠岡町長に就任し、早1年が過ぎました。住民の皆様の生命・財産をいかに守るかということを常に考え、日々、その使命の大きさに身が引き締まる思いです。

将来への夢と希望を持つための施策として、第一に教育の充実を図っています。少人数制学級の編成や学力向上サポーターの配置に加え、昨年からは適応指導教室の設立をする等、きめ細かな指導に取り組んでまいりました。また、教育現場におけるさまざまな課題に対する未然防止、早期発見、早期解決に傾注しているところです。このほか、町内在住の中学生から大学生を対象とした英語検定受験料補助事業を実施する等、国際社会で活躍するグローバル人材の育成につとめています。

第二に福祉の充実を図っています。介護ニーズの増大が予想されることから、介護予防等の一助となり且つ家庭でも気軽に運動ができる「オリジナル健康体操動画」の作成並びに配信に向けて整備を進めています。さらに、自立支援・重度化防止の取組推進や、認知症発症初期から適切な支援が行える相談体制の充実を図るほか、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができる「地域包括ケアシステム」の推進も図っています。

なお、これら施策は一例であり、防災、子育て、人権、都市計画等においても真摯に向き合い創意工夫を凝らしているところです。あらゆる角度・視点から物事を捉えつつ、誰もが幸せを実感できる『ただおか』を創るため、「スピード」「決断」「実行」をモットーに全力を傾注してまいります。