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焼酎文化

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年2月8日

鹿児島県さつま町長鹿児島県さつま町長 日髙 政勝

だいやめ

「グイッ」と飲み、今夜も「だいやめ」がうまい。

日中の仕事を終え、風呂上がりの夕食時に楽しむ焼酎。鹿児島、宮崎では疲れたことを「だれた」と言い、そのだれを止める(疲れを癒す)晩酌を「だいやめ(だれやみ)」と言っている。

もちろん晩酌は焼酎が主流。だいやめは食前酒、食中酒として食欲をそそる。和食、洋食、中華料理など、ほとんどの料理に相性がいい。

また、飲み過ぎない限り酔い覚めが良く、すっきりしている。適当な量ならば健康にもいい「百薬の長」。晩酌をしたくない日は、調子の悪い証で健康のバロメーターにもなっている。


焼酎の歴史

さつま町のお隣の伊佐市で、神社の補修が行われた際に、1559年に当時の大工が残した「ケチな施主で一度も焼酎を振舞ってくれず、がっかりした」という落書きが発見されている。

当時は、米焼酎? 薩摩藩の前田利右衛門が、1705年に琉球から芋を持ち帰り広めたことから、芋焼酎づくりが始まったと伝えられる。


醸造元と代表銘柄

県内には、薩摩焼酎87蔵、奄美黒糖焼酎26蔵の113蔵と日本一の蔵数を誇っている。

代表銘柄も106あり(一部共同瓶詰を行っている)、それぞれその土地土地の個性豊かなおいしい焼酎が醸造されている。

県庁エスカレーターの代表銘柄

▲県庁エスカレーターの代表銘柄

 

焼酎の飲み方

ここで、私がおすすめするおいしい焼酎の飲み方を紹介したい。

■前割り… 焼酎サーバー(ボトル容器で可)に予め焼酎を好みの濃さに水で割り、一晩寝かせたものを「黒じょか」で燗をつけて飲む。焼酎と水がよく馴染み、まろやかな味わい。

※黒じょかは陶器であるため、まろやかさがなお引き立つ。電気で燗の強弱ができる便利な「黒じょかセット」もある。冬はコタツに入り、テレビを見ながら、グイ呑みチョコに手酌して飲む風情のある飲み方。適当な肴があれば最高、至福の時間である。夏は冷蔵庫で冷やしてそのまま飲める。

黒じょか

▲目盛りコップ・グイ呑み・黒じょか

 

■お湯割り… 定番の飲み方。お湯割りは、焼酎が先か、お湯が先か、コツはお湯(70~80度に冷ましたもの)から先に、後から焼酎を注ぐ方が対流によってよく混ざり、香りも際立つ。

※焼酎とお湯の割合は、好みでゴーゴー(5:5)、ロクヨン(6:4)、シチサン(7:3)で。目盛りを刻んだコップもある。

■水割り… 焼酎:水=6:4、5:5が普通。グラスに氷を一杯入れ、焼酎から先に入れ、マドラーで軽く混ぜた後、水を注ぎ再度マドラーで混ぜていただく。

■ロック… 冷やしたグラスに大きめの氷を入れ焼酎を静かに注ぎ込む。焼酎本来の香りを味わえる。

そのほか、ソーダ割り、お茶割りなど多様な飲み方が豊富にあり楽しめる。


鬼滅の刃と焼酎

漫画、アニメ、映画でブームが止まらず社会現象にまで発展し、経済波及効果二千億円超とされる「鬼滅の刃」。この登場人物を紹介する際に使われた「闘龍」「陽炎」の昭和書体の生みの親が本町に在住。

その書体を活用し、成人祝、結婚祝、還暦祝等の節目を記念し、氏名を昭和書体で刻印した焼酎を、町内にある西日本最大級の「鶴田ダム」地下3階の監査廊に1年から最長20年保管する「タイムカプセル焼酎プロジェクト」を始めている。

保管料を町内の酒販店に納めれば誰でも受け付けている。また、昭和書体は、町のふるさと納税の返礼品や出生届の命名書にも使っている。

焼酎・薩摩隼人

▲昭和書体刻印の焼酎


人と人との潤滑油

人生模様、冠婚葬祭に焼酎は欠かせない。人と人とをつなぐ潤滑油。人が酒を飲む、酒が酒を飲む、酒が人を飲む。適量で、楽しくおいしく第一段階が基本。町村長の皆さん、今夜も焼酎で、グイッといきましょう!!