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やさい王国 昭和村

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年2月17日

群馬県昭和村長 堤 盛吉群馬県昭和村長 堤 盛吉

 

●こんにゃく生産日本一に

昭和村は、昭和33年に久呂保村と糸之瀬村が合併し誕生しました。私は、久呂保村で農家の長男として生まれ、家業を継ぐのが当たり前のように育てられました。周辺もほとんどが農家であり、農業以外の産業について考える間もなく就農しました。

昭和40年代の日本経済は、飛躍的な成長・発展を遂げ、こうした中、「私自身、何ができるのか」と思案したところ、こんにゃく栽培と野菜作りに行き着きました。その上で、仲間たちと「昭和村をこんにゃく生産日本一の村に」という目標を掲げ、営農に取り組みました。当初は、試行錯誤の連続でしたが、先人の方々が創り上げた優良農地を活用し、栽培技術の向上に努め、機械化を進め、多くの仲間とのパワーにより、目標である「こんにゃく生産日本一」が達成できたものと思っております。

また、本村では野菜栽培も、技術革新と立地条件の良さから多品目の栽培が進み、今では首都圏への交通の便の良さからレタス、ほうれん草、小松菜等軟弱野菜や苺、トマト、とうもろこし等の栽培が盛んに行われ、「やさい王国 昭和村」と呼ばれております。

その結果、遊休農地はほとんどなく村内の農地2、500haでは足りず、近隣市町村へと出耕作(出耕作面積約400ha)をしている状況です。

こうしたことから、大規模農家には若い後継者も育ち、併せて多くの人材雇用にも繋がっております。


●農・商・工連携の村へ

関越自動車道昭和ICに隣接する関屋工業団地48 haには、優良企業が進出し、活発な生産活動が行われております。また、近隣には、道の駅「あぐりーむ昭和」があり、新鮮な野菜等の豊富な品揃えやイベント等の充実により、連日大勢の来場者で賑わっております。こうした商工業と本村の基幹産業である農業とが連携を強化し、相乗効果が発揮されるよう、平成28年度から昭和村商工会と連携し、創業支援塾を開催しております。お互いの技術やノウハウを持ち寄り、新しい商品やサービスの開発・提供、販路拡大などに取り組んでいきたいと考えております。

また、海外市場の開拓を視野に、昭和村農産物等輸出促進協議会を平成26年度に立ち上げました。これは、本格的な人口減少社会を迎え、国内マーケットの縮小が見込まれることから、関係者が一体となって、本村の実情に合った輸出の可能性を調査し、輸出モデルの構築を検討するものです。


●交流事業で村を活性化

本村は、平成24年に玉村町と、25年に横浜市との間に友好交流協定を締結しております。官民問わず交流が順調に進展しており、今後もお互いを補完し合えるよう多様な交流を推進していく考えです。

また、毎年、国際友好姉妹都市であるアメリカのイーグルポイント市に中学生を派遣しておりますが、昨年はイーグルポイント市からハイスクールの生徒12名が7年ぶりに来村してくださいました。これを機に、相互交流事業として継続され、より活発化していくものと考えております。


●村民協働の村づくり

本村の将来像を「みんなでつくろう 元気な昭和村」と定め、これまで、安心・安全を第一に、村民協働の村づくりを推進してきました。今後も、村民皆さんが主役になり、その豊かな経験や能力を発揮していただき、村民と行政がともに手を携え地域の課題に取り組み、全ての村民が「私のふるさと」として自信を持って誇れる村を創造してまいります。