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歴史と文化が薫る湘南発祥のまち~さあ、大磯で君の物語をはじめよう~

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年3月4日

神奈川県大磯町長 中﨑 久雄神奈川県大磯町長 中﨑 久雄

電車から一歩足を踏み出すと空気が何か清々しい。広告看板のない駅と昔ながらの雰囲気が残る駅舎。改札を過ぎると微かに香る潮の香り、そして、高麗山の新緑が訪れる人を出迎えます。何処となく特有の瀟洒感を醸し出している町。

大磯町は、神奈川県の中央南部に位置し、南は相模湾、北は高麗山をはじめとした大磯地塊の丘陵地帯で、総面積は17・23㎢。都心から約1時間という距離にありながら、歴史・文化や海と山に囲まれた豊かな自然と調和した町です。

明治期には、1908年日本新聞社の避暑地ランキングで軽井沢をしのぎ堂々1位。湘南発祥の地、海水浴場発祥の地として、多くの名士が別荘や居宅を構え、歴代8人の内閣総理大臣が住んだ町。今も避暑地として栄えた別荘文化の佇まいが残る、まさに「湘南の奥座敷」です。

【旧吉田茂邸と明治記念大磯邸園】

平成21年3月に焼失した旧吉田茂邸を国県や全国の皆さんの協力により再建し、一般公開を開始した平成29年は年間10万人超の来場者を迎え、町全体が活気に溢れ返る賑わいを見せました。

さらに、明治150年を記念する国の事業として、立憲政治の立役者である初代内閣総理大臣の伊藤博文の旧邸である滄浪閣を中心に、隣接する旧大隈重信邸、旧陸奥宗光邸、旧西園寺公望邸跡(旧池田成彬邸)の一帯を「明治記念大磯邸園」として整備することが決定しました。平成30年には施設の一部が記念公開され、町内外から多くの方々が訪れました。完成時期は未定ですが、新たな文化・観光の拠点として旧吉田茂邸との相乗効果による交流人口の増加を期待しています。

【大磯港賑わい交流施設】

歴史・文化とともに町の象徴である「海」。明治18年に日本で最初の海水浴場が、初代陸軍軍医総監であった松本順により照ヶ崎海岸に開かれました。今は少し離れた場所に移っていますが、湘南界隈では「駅からいちばん近い海水浴場」として賑わっています。

その海水浴場に隣接した大磯港を国土交通省の「みなとオアシス」に登録し、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に合わせて、平成32年の開設を目指して準備を進めています。いわゆる港版の道の駅です。採れたての海産物を堪能できるだけではなく、地場産の農産物もふんだんに扱い「町の食の特産物」を発信するとともに、さらなる賑わいと、訪れる方々との交流を生みだす施設を目指しています。

【子育てで選ばれるまち】

歴史や自然といった町の良いところを知っていただいた後は、この町に住んでみたいと思ってもらいたい。当町では、保育料等の第二子以降の無料化、病後児保育事業や認定こども園の誘致、県内初の取組である朝の子ども居場所づくり事業など、子育て世代の経済的な負担軽減などのニーズに応じた施策を展開しています。今後も、当町を選んでいただいた子育て世代の方々が安心して暮らせるまち、「子育てで選ばれるまち」を目指し、子育て施策の充実に努めていきます。

【健康寿命の延伸と終活ケア】

もう1つ、忘れてはならないのが「健康」です。健康寿命の延伸を目指して取り組んでいる「おあしす24健康おおいぞ」は、「地域のなかの気軽に行ける健康サロン」として多くの方々に親しまれています。また、「アンチロコモ教室」や「ロコミル」などのロコモ予防対策事業は、産官学連携事業として世界保健機関(WHO)が視察に訪れるなど、世界的にも注目されています。

また、これまで町を支えてくれた方が高齢世代を迎えます。そのような方々が安心して余生を暮らせるために、自身がお亡くなりになった後をケアする、いわゆる終活への支援も考えています。

このような取組をさらに推し進め、すべての方々が健康で豊かに暮らせるまちを創り上げていきたいと思います。

【むすびに】

今年は新しい時代に突入する節目の年です。これまで先人が築き上げてきた歴史・文化、そして、大磯の誇りを次世代へ伝え遺しながら、新たな一歩を踏み出し、すべての世代の誰もがいきいきと暮らせる、住んで良かったと思えるまちづくりを目指していきます。