ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 町村長随想 > 「小さくとも光輝く村づくり」を目指して

「小さくとも光輝く村づくり」を目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年1月28日

鹿児島県町村会長・大和村長 伊集院 幼鹿児島県町村会長・大和村長 伊集院 幼

うがみんしょーらん(奄美での挨拶の言葉で「こんにちは」)。私は、昨年の2月から鹿児島県町村会会長職をさせて頂いております大和村の「伊集院 幼(げん)」と申します。名前のげんは、通常「おさない」と呼びますが、げんと呼んでおります。各町村会の皆様方のご指導をよろしくお願い致します。また、「やまとそん」の由来は、遣唐使の時代に遡ります。本村は東シナ海側に面しているところで、湾の入り江を休息場所に利用しておりました。船着き場の海岸に本土の方々(その当時、本土の方を「やまとんちゅ」と呼んでおりました)が立ち寄り、海岸が「やまとはま」と呼ばれるようになったことで、その後「大和村」と言うようになりました。

さて、大和村は、鹿児島県本土と沖縄県の間にあります奄美大島中西部に位置しております。明治41年4月1日(1908年)に郷土大和村が誕生して以来、平成30年(2018年)に110周年を迎えました。

長い歴史の中で、幾多の変遷による苦難と闘いながら今日の大和村が築かれましたことは、偏に先人達のご努力とご尽力の賜であり、敬意を表するところであります。

大和村は、奄美群島の基幹産業となっております「さとうきび発祥の地」でありますが、耕地面積が少ない中で自然条件・立地条件等を生かした「すもも・たんかん」を主体とした農産物の生産及び加工品等の商品化も進めており、県外で物産展等も開催しながら販路拡大に努めているところです。

そういう中で、本村も他の町村同様少子高齢化が進み、人口減少に歯止めのかからない現状にありますが、子育て支援や定住促進対策などの取組を進めているところであり、近年は、若干ではありますが出生率も伸びている状況にあります。今後も出産祝い金や保育料の無料化を継続実施することにより、本村での子育て環境の充実を図って参りたいと思います。

また、農産物の生産量確保や耕作放棄地を活用しながら雇用の創出に繋がるようにと、村の100%出資による合同会社「ひらとみ」を起業いたしました。併せて、農産物の商品開発などを手がけながら、村で生産されたものの販売や観光情報発信・軽食などが出来る「道の駅」なるものを計画しているところであり、本村に多くの方々にお越し頂き、大和村の良さを全国に発信できればと考えております。

平成29年3月に奄美群島が国立公園の指定を受け、平成30年11月2日に世界自然遺産登録の推薦が決定されたことで、登録に向けての受入れ体制づくりなどを早期に進めていかなければなりません。本村には、環境省奄美野生生物保護センターや奄美フォレストポリス(森林浴公園)などがあり、それらを生かした観光ルートづくりの整備を図るなど、交流人口の増加に対応できるように進めていきたいと思います。

また、本村は、海にも面していることから、海を生かした体験型観光が注目を浴びており、今後も伸びていく可能性があることから民間とも連携を図っていきたいと思います。併せて、山を生かした取組としては、耕作放棄地を再生し、体験型農業によって、収穫と併せて食の体験ができる、官民一体となった取組を進める計画であります。小さい村だからこそ出来ることにチャレンジしていきたいと思います。

これまで奄美大島は、LCCの就航(東京・関西)以来、多くの方々にご来島頂いておりますが、予定通りいきますと来年には世界自然遺産への登録が実現する予定です。この追い風に乗り遅れることのないようにこれまで以上に、受入れ体制の充実が求められてくる中で、それぞれの町村が、地域の特性を生かした取組が進められることを願っております。