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<湯梨浜の世界戦略>~グラウンド・ゴルフで、友情と健康の輪を世界に~

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年10月22日

鳥取県湯梨浜町長  宮脇 正道鳥取県湯梨浜町長  宮脇 正道

平成30年5月29日、鳥取県湯梨浜町のグラウンド・ゴルフのふるさと公園「潮風の丘」で、韓国、モンゴル、台湾からの参加者94人に、海外からの留学生18人、国内愛好者125人を加えた、237人によるグラウンド・ゴルフ国際大会が開催されました。

この大会は、全国大会である「グラウンド・ゴルフ発祥地大会」の3分の1にも満たない規模ですが、国際色豊かなためか、華やかで、とても明るい雰囲気の大会でした。

さて、グラウンド・ゴルフは、昭和57年、湯梨浜町誕生前の旧泊村が、当時の文部省の補助を受け、生涯スポーツ推進のため考案したスポーツです。

ルールが簡単で子どもから大人まで、誰でも楽しめること、仲間づくりに適していることなどから大きな反響を呼び、誕生の年には泊村の、その翌年には、鳥取県及び日本グラウンド・ゴルフ協会が設立されました。

昭和59年以降は、各県協会の設立が続き、昭和62年からは、全国各地でブロック大会が開催、昭和63年には、初の全国大会「全国グラウンド・ゴルフ交歓大会」が、泊小学校の全面芝の運動場で盛大に開催され、約700人が参加しました。

この大会は、翌年から日本グラウンド・ゴルフ協会主催の大会として、全国持ち回りで開催されています。一方、泊村では、この大会の翌年から「グラウンド・ゴルフ発祥地大会」を開催、毎年、定員(768人)以上の応募があり、抽選で参加者を決めています。

これらを経て、現在、グラウンド・ゴルフの愛好者は約360万人といわれ、まさに国民的スポーツに発展しました。

そして今、グラウンド・ゴルフは大きな変貌を遂げようとしています。それは、「国際化」です。

その端緒は、地方創生施策に、グラウンド・ゴルフによる交流人口の拡大を掲げたこと、「ワールドマスターズゲームズ2021関西」で、このスポーツが競技種目になり、湯梨浜町での開催が決定したことにあります。

以来、湯梨浜町では、鳥取県や(公社)日本グラウンド・ゴルフ協会と連携し、次のことを進めています。

一つは、国際化です。グラウンド・ゴルフの世界への普及及び交流人口の拡大を図ろうとするもので、すでに普及している国々との交流を深める一方、未普及の国々を訪問、PR活動等を展開し、これまでに8か国11地域を訪問しました。

二つ目は、国際大会の開催です。冒頭、今年の大会を紹介しましたが、平成27年からの4回の大会に、海外8か国から389人、外国人留学生85人、国内愛好者352人の計826人に参加いただきました。同時に、海外3か国の国際大会に町及び県内のプレーヤーを派遣しています。

三つ目は、「潮風の丘」の聖地化です。発祥地にふさわしい施設にするため、園内表示の多言語化、クラブハウスへのロッカールームの整備等を行いました。

しかし、国際化を図る上でいくつかの課題があります。

例えば、海外での普及の障壁に、用具の入手の困難さがあります。ルール等は、多言語ルールブックやDVDの活用等で解決できますが、用具や器具はそうはいきません。そこで、国内愛好者のご協力で集めたクラブやボール、さらにはクラウドファンディング型ふるさと納税を活用して購入の用具・器具を、海外に立ち上げられた協会に贈り、普及の支援をしています。

また、統一されたルールと技術基準を満たした安全な用具によるプレー、交流を促進するための情報の収集と還元も重要であり、国際組織設立の意見交換を重ねています。

これまで「グラウンド・ゴルフの国際化」を進める中で、私は、健康寿命の延伸が各国共通の課題だと感じています。グラウンド・ゴルフは、認知症予防や介護予防にも効果があります。国内と世界各地がグラウンド・ゴルフで結ばれ、世界に友情と健康の輪が広がることは、素晴らしいことです。

大海原に石を投げるような話ですが、内外の愛好者の方々と連携すれば必ず実現できると信じています。