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「観光立町宣言 湯沢町」 君と一緒に暮らす町

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年6月25日

新潟県湯沢町長  田村 正幸氏 顔写真新潟県湯沢町長  田村 正幸

湯沢町は、昭和30年に5つの村が合併し、今年で63年を迎えた、人口8、200人の小さな町です。また、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」で知られる小説「雪国」の舞台としても有名です。新幹線や高速道路など恵まれた高速交通網により、四季を通じて全国から多くの観光客が訪れる自然豊かなスキーと温泉の町でもあります。

町制施行50周年を記念して、平成17年10月16日を、お客様にありがとうの感謝の気持ちを伝え、お客様からありがとうと言っていただける、ホスピタリティあふれる町を目指し、「ありがとう湯沢の日」に制定しました。

観光客数は、ピークであった平成4年の1、000万人から、平成22年には373万人まで減少しましたが、一昨年度には440万人、また、昨年度は425万人となり、回復傾向にあります。

町長に就任して、今年で5年目になります。立候補にあたり、「観光の町ゆざわ」の再生を訴え、観光客数500万人を目標に掲げました。

平成27年10月には、湯沢町人口ビジョン及び湯沢町総合戦略を策定し、観光客数の目標値を平成31年に465万人と設定し、現在様々な取組を行っているところです。

取組の一つとして、一昨年の2月に多くの方々の協力のもと、湯沢町で41年ぶりとなるアルペンスキーワールドカップを苗場スキー場で開催し、国内外に「スキーの町ゆざわ」を広くアピールすることができました。また、地元の小・中学生を始め全国から多くの子供たちが観戦に訪れ、国際大会の華やかさや世界トップ選手のスピード・技術に直接触れる機会を提供できたことは、次代を担う子供たちにとって貴重な経験であったと思います。さらに、選手が滑る前の前走者として地元の高校生が出走し、大勢の観客が見守るゴールエリアに飛び込んできた直後に感極まり雄叫びをあげている姿には大変感動しました。この子供たちの中から、世界に羽ばたく選手が出てくれることを願っています。

一方で、全国的な問題ではありますが、人口減少問題は深刻であり、平成26年5月に湯沢町は日本創成会議から「消滅可能性都市」に該当すると発表されました。観光地を支える担い手や労働力の確保も大きな課題の一つです。また、少子高齢化問題についても同様で、湯沢町の高齢化率は35・8%になっています。超高齢化社会を支え、持続可能社会を実現するためには、若い人の力が不可欠だと考えています。湯沢町総合戦略の重点目標に「若者が生活の場として選択するまち」を掲げ、若者に寄り添い、その声を聞き、実現するために努力したいと考えています。

現在、湯沢町には20代、30代で構成するオールユース会議があり、新潟大学の准教授がチームに加わり活動し、町づくりの提案をいただいています。また、子育て支援にも力を入れており、18歳までの医療費完全無料化を始め、病児・病後児・延長・休日保育、6年生までの学童保育などを実施しています。さらに、若者の働く場の創出のために企業誘致推進官を採用し、起業する若者やUIJターンの方々を支援することを目的に起業支援補助金(最大100万円)を創設し、今までに13事業者が制度を活用し起業しました。

これらの取組を効率よく全国にPRすることを目的に広報戦略アドバイザーを配置し、湯沢町のブランドスローガンを、「観光立町宣言湯沢町 君と一緒に暮らす町」に定め、観光地に住んで豊かな自然と四季折々のアクティビティを楽しんでもらいながら、都会に通勤できるよう、UIJターン者を対象に住宅・土地取得と新幹線通勤の支援を始めました。

現在、新幹線通勤の制度を2人の方が利用していますが、これを皮切りに多くの若者が制度を活用し湯沢町に定住してくれることを願っています。

これからも「若者が生活の場として選択するまち」を目指し、また、笑顔あふれる元気な町になるように頑張ってまいります。