ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 全国町村会の活動状況 > 「国と地方の協議の場」に荒木会長が出席(12/14)

「国と地方の協議の場」に荒木会長が出席(12/14)

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年12月22日

「国と地方の協議の場」に荒木会長が出席(12/14)

 「国と地方の協議の場」(平成29年度第3回)が、12月14日、首相官邸で開かれ、本会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)はじめ、地方六団体代表が出席しました。政府側は、安倍内閣総理大臣、麻生副総理・財務大臣、菅内閣官房長官、野田総務大臣、梶山内閣府特命担当大臣(地方創生)、茂木内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、松山内閣府特命担当大臣(少子化対策)、加藤厚生労働大臣などが出席し、「平成30年度予算編成及び地方財政対策」について協議しました。

「国と地方の協議の場」、左手前が荒木全国町村会長

▲「国と地方の協議の場」、左手前が荒木全国町村会長

 はじめに安倍内閣総理大臣が挨拶に立ち、「先般、生産性革命と人づくり革命を車の両輪として、少子高齢化の壁に立ち向かうため、新しい経済政策パッケージを閣議決定した。2020年までの3年間、人材、設備への投資を大胆に促し、生産性を飛躍的に押し上げ、2020年を目指して子供たちの未来に予算を振り向け、社会保障制度を全世代型へと大きく転換をしていく。平成30年度予算編成では、財政健全化に着実に取り組む一方、この基本的な考え方に沿って、メリハリの効いた予算編成を行う。地方の活力なくして、日本の活力なしという基本姿勢のもと、地方公共団体と力を合わせて、少子高齢化の壁を乗り越え、地方のすぐれた人材や知恵を最大限に生かし、我が国の未来を拓いていきたい」と述べました。

 協議において、荒木会長は、人づくりと子ども・子育て支援について、「町村にとって人づくりへの投資は極めて重要な政策であり、町村は面積は広いが、人口が少なく、住民一人一人の存在が大きく、自分自身町長として、日々住民の顔を思い浮かべながら、地域経営を行っている。安心して働き、家庭を持ち、子育てができる暮らしやすい町や村をつくっていくことが何よりも重要だと実感している」と述べ、そのためには、保育所等の受け皿の整備と子育ての経済負担の軽減、加えて、いざというときに、“頼れる場”があることの重要性を指摘しました。

 次に熊本県嘉島町について、「人口千人当たりの出生数が県内で最も高い13人で、東京の1.5倍。共働き所帯の増加に対応するため、来年以降、小規模保育園や120人規模の大規模な保育園を新たに2つ整備する計画を進めている」と説明し、保育所整備のための一層の財政支援や処遇改善等の保育士確保対策を要請しました。

 また、「子供たちに、ふるさととは、自分のやりたいことに挑戦できる希望の場所であるという意識を植え付けることが大事。そのためには、ふるさと教育はとても重要である」と強調。地域住民の拠り所となっている小中学校の消滅は、地域コミュニティの衰退を招き、地方創生にも逆行することから、少子化を理由として、強制的な学校の統廃合につながる、機械的な教職員定数の削減は行わないよう求めました。

 最後に、「国の政策を実行する舞台は町村の現場。地域の実情に応じて、創意工夫をこらして課題に取り組めるよう、放課後児童クラブの基準や放課後子ども教室との一体的運営についても提案しているが、一層の分権、規制改革をお願いしたい」と述べ、意見陳述を終えました。

協議の場に出席した荒木会長(左奥)

▲協議の場に出席した荒木会長(左奥)

 地方六団体の意見に対し、松山内閣府特命担当大臣(少子化対策)は、子育て安心プランの前倒し、企業主導型保育事業のさらなる活用で、2020年度までに32万人分の保育の受け皿を整備し、待機児童の解消を図ると回答。野田総務大臣は新しい政策パッケージには、幼児教育の無償化や待機児童解消など、地方が重要な役割を担う施策が盛り込まれているとしたうえで、国と地方の連携の必要性を強調。地方の意見を踏まえて円滑に実施すべきであると語りました。また、加藤厚生労働大臣は、30年度予算において待機児童解消に向けた必要な受け皿整備を進めるための予算を確保していくと応じました。

 この後、少子化対策についての意見交換が行われ、荒木会長は、“頼れる場”づくりと人材育成に言及。熊本県内市町村で出生率2.0を超えているのは3団体あり、いずれも条件不利地域ともいえる町や村。また、出生率2.81で全国一の鹿児島県徳之島の伊仙町など、九州の離島は非常に出生率が高い-ことなどを説明したうえで、「こうした地域は、女性の就労割合が高く、子どもを安心して預けられる場所があり、信頼の絆やお互いさまという地域で支えあう暮らしがある。また、何よりも子どもが大事であるという価値観が共有されている。こうした価値観をこれからの時代に合った形で、それぞれの地域において構築していくことが課題である」と述べ、国民全体に「子どもが大事」という価値観が、広がっていくような取組を政府に要請。

 また嘉島町は、近隣町と協力して、病児・病後児保育を実践しているとしたうえで、「子どもが感染症にかかると、保育所での集団生活は困難となり、自宅待機を余儀なくされる。育児相談をはじめ、細やかに子育て世代の不安を解消していくためにも看護師、保育士等専門職人材の育成・確保が大変重要」と指摘するとともに、「地域によっては、専門職人材の確保が困難であることから、国の人材確保策や財政的支援が充実されることにより、これらの取組がさらに展開すると考える」と述べました。

 そして安心して子どもを産み育てる環境を整えるには、様々な施策を総合的に推進していくことが重要であることから、地方創生も含めて、「人づくり」に関わる総合的な政策を現場でさらに推進できるよう力強い支援を求め、意見陳述を終えました。

 最後に菅内閣官房長官が、「安倍総理から挨拶があったように、地方の活力なくして日本の活力なし、地方の声に徹底して耳を傾ける、という姿勢で行きたい。政府が進めている人づくり革命と生産性革命は、地方の皆さんの協力がなければできないため、今後とも様々な場面で議論していきたい」と述べ、協議の場を締め括りました。
 

【参考資料】

資料1 国と地方が連携した少子化対策党の推進について~平成30年度予算編成及び地方財政対策について~ [PDFファイル/952KB]

資料2 平成30年度予算・地方財政対策等について(地方六団体提出資料) [PDFファイル/2.24MB]

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)