42.地域改善対策の推進
同和問題は基本的人権に関わる重大な問題であり、今日に至るまで、国、地方公共団体等による地域改善対策事業の積極的な推進により、生活環境の整備を中心とする各分野で一定の成果をおさめてきたところである。
しかしながら、職業の安定、産業の振興、教育の充実や啓発、特に、近年多発しているインターネットによる差別事象の防止等について未だ多くの課題を有しており、さらに住環境整備等の物的事業も残されている。
また、「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」は失効したが、課題の解決に向け、取り組みを積極的に行うことが必要である。
よって、国は次の事項を実現されたい。
1.「地対財特法」の失効にともない、一般対策に移行した事業を引き続き円滑に実施できるよう、十分な財政措置を講じること。
2.人権教育および人権啓発に関する施策を実施する町村に対し、十分な財政措置を講じること。
3.人権侵害の防止および被害の救済に関する法的措置を講じることともに、国における総合的な調整機能を持つ機関を設置すること。
4.住宅新築資金等貸付事業に伴う償還推進助成事業については、財政措置等内容を充実するとともに、法制化すること。また、実質的に返済が不可能な、「本人死亡」・「行方不明」に係る滞納債権については、全額国で措置すること。
5.公営住宅家賃について、特別な緩和措置を講じること。
6.地域改善対策事業等によって建設、整備した各種施設の経過措置期間後の運営方法、ならびに町村から地域に譲渡する場合の方策等について、早急に明確にすること。また、町村が地域に譲渡する際に支障となる「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の規制について緩和すること。