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17.医療保険制度の抜本的な改革の実現

印刷用ページを表示する 掲載日:2002年7月4日

市町村保険者は国民健康保険事業の健全な運営のため、日夜懸命の努力を傾注しているところである。
市町村国保は医療費の増嵩等により年々保険料(税)が高額化し、これ以上の保険料(税)の引き上げおよび一般会計からの繰り入れについては、もはや限界に達している。
そのような中、昨年11月に政府・与党社会保障改革協議会が公表した「医療制度改革大綱」においては、負担と給付の公平化のため、我々が従来から主張している「医療保険制度の一本化」が「医療保険制度の一元化」として取り上げられており、道筋がつけられたものとして一定の評価をしている。
しかしながら、「一定の期間内に結論を得る」としながらも、未だに我が国の医療保険制度の将来像を明確にしていない現状において、安易に国民に自己負担および保険料(税)の増額を求め、負担を転嫁することは避けるべきである。
よって国は、医療保険制度の一本化を基本に、合理的な医療費に関する方策について次の事項を実現されたい。
1.医療保険制度の一本化に向けての方策
(1)当面の措置
国は予め、上記達成の目標年次等を定めるとともに、当面の措置として国保財政改善のため、目標に沿った必要かつ十分な国庫負担による財政支援措置を講じること。
(2)中期的目標
段階的措置として、現行保険者種別を維持しながら、類似の保険者において保険料率の統一等を行い、地域医療制度として財政の一本化をはかること。この場合、国が主体的に財政調整を行うこと。
(3)長期的(最終的)目標
既存の各制度や保険者組織を統合し、全ての国民が加入する統一的な医療保険制度として一本化すること。
2.合理的な医療費に関する方策
(1)高齢者を中心として、長期療養者や慢性疾患に対する合理的な診療報酬包括支払方式を導入すること。
(2)かかりつけ医機能の強化促進により、不必要な重複受診を避けること。
(3)薬価および心臓ペースメーカー、人工関節、ダイアライザー等の医療用具・保険医療材料価格の強力な適正化をはかること。
(4)レセプト審査の適正化をはかるとともに、レセプトおよびカルテの電子化を推進するため、国が財政支援を行うこと。
(5)難病等の特殊な疾病については国の負担とすること。
(6)低所得者対策については制度外で実施するなど十分に配慮すること。
(7)生活習慣病対策の推進をはかるとともに、国は市町村保健事業を支援すること。