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小泉内閣総理大臣あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2002年11月27日

 全国から今日はご苦労さまでございます。
 ただいま山本会長からお話がございましたように、皆さん方は、地域の責任者として日々住民の皆さん方と苦楽を共にしながら、どうして日常の生活環境を良くするか心を砕いておられると思います。そういうご努力に対し心から敬意を表したいと思います。
 今、国としても、補助金の問題、交付税の問題、そして税財源の問題、この問題を一体的に考えながら改革をしていかなくてはならない。さらに、地方にもっと裁量権を与えるべきだと山本会長のあいさつにもありましたように、自己決定権、自己責任の観念が必要であると、お話のとおりだと思います。
 廃藩置県前の明治維新時代においては、聞くところによると、村という一つの自治体が約7万くらいあったそうです。それが戦前には約1万5千になって、大戦後はご承知のとおり約3,200になっております。
 今、国として一つの地域の単位として千くらいを目指してどのように改革をすべきか。考えてみますと明治前後の時代におきましては、北海道や九州から京都、江戸に上って来るということは、今の我々現代人にとってニューヨークやロンドンに行くよりも意識的には遠い感覚を持たれたんじゃないかと思います。交通の手段、輸送機関、大変な思いで藩から藩へ移動していたことと思います。
 今、地球も狭くなりました。我々は気軽に海外に行ったり来たりしております。あるいは日本国内、東京から九州、沖縄、北海道と日帰りで移動するのはそんなに珍しいことではない。ある場合では海外でも日帰りで行ったり来たりしている。
 こういう中にあって今日の新しい時代に対応できるような改革が必要だと思います。今、「切り捨てるな 小規模市町村」「強制するな 町村合併」とありますが確かにそのとおりだと思います。自主的に、今の規模で本当に皆さんが税財源を維持できるのか。自己決定権のもとにいろいろな福祉サービスなどの公共サービスをできるのか。今のままに交付税を堅持して地方の自主権が拡大するのでしょうか。
 私はそうではないと思います。だからこそ、交付税、補助金、税財源を一体で考えなければならない。地方に自己決定権、裁量権を与えるのであれば税率を決めるのも県議会なり市町村議会がもっと裁量権を得ていいと思います。いちいち税率を決めるのに中央まで陳情に来る必要はないのです。
 そういう意味で私は来年度予算編成の中で、今、片山総務大臣にも指示しておりますが、地方交付税、補助金、税財源を三位一体で、少しでも将来改革の芽が出るような案を出してくれ、同時に地方の自主裁量権を拡大する方策を考えてくれということでその回答を待っているところです。
 片山大臣も今精力的に検討しています。何とか来年度予算において、将来少しでもその方向に向かって努力できるような芽を出していきたいと思います。
 非常に難しい情勢です。何よりも大事なのは現状では地方の裁量権も税財源も住民に対する公共サービスも十分に行き届くとは思っておりません。自己改革欲を尊重しながら、国としても皆さんの自己裁量権が拡大するような環境整備に中央政府としても懸命に取り組んでいきたいと思います。
 どうか皆さん方のご指導、ご協力を賜るようお願いするとともに、今後とも地域の発展なくして国の繁栄はないという観点から、地域が個性ある、特色ある地域として発展できるように皆様方のご健闘を心からご期待申し上げながらご挨拶に代えさせていただきます。
 今日は本当にご苦労さまでした。