「事務事業の在り方に関する意見」で会長談話(地方六団体)
全国町村会など地方六団体は、10月30日、地方分権改革推進会議がとりまとめた「事務事業の在り方に関する意見」に対し、次のとおり会長談話を発表しました。
※解説記事はこちらをご覧下さい。
会 長 談 話
地方分権改革推進会議におかれては、6月の中間報告後、三位一体の改革につながる国と地方の事務事業の在り方等に関する原案を作成し提出してほしいとの総理指示も踏まえ、精力的に調査審議を行ってこられたことに対し敬意を表する。
今回の意見においては、地方分権改革の更なる推進という見地から、国と地方の役割分担に応じた事務事業の在り方について、「地方にできることは地方に委ねる」との原則に基づき、公共事業関係をはじめ内政の主要5分野についての見直し方針と具体的措置の提言が示されているものの、国庫補助負担金の廃止縮減に関して、地方六団体が従前から要望してきた、税源移譲を含む税源配分の在り方の検討を同時に行う視点が取り入れられていないことは、誠に残念である。
特に、負担対象経費の見直しを始め義務教育費国庫負担制度の見直しは、国家公務員の制度に準拠することとされ、歳出削減不可能な重要な義務的経費に係るものである。また、地方財政に与える影響も甚大であるにもかかわらず、どのように地方の自主性が向上するのか明示されず、税源移譲による財源措置も明確に示されず、到底受け容れることはできない。
政府において、この意見を受け福祉、教育、社会資本などを含めた国庫補助負担事業の廃止・縮減の方針のとりまとめを行うに当たっては、国と地方の役割分担を踏まえ、真に地方分権の進展につながる地方行財政制度の改革が行われるよう、強く期待するとともに、平成15年度の国の予算編成に当たっても、予算編成上の都合等により、歳出の削減のみを目的とした国庫補助負担金の廃止・縮減を先行して実施し、単なる地方への負担転嫁となることのないようにすべきであり、税源移譲等による税財源措置を同時に行うべきである。
今後、国と地方の役割分担に応じた税財源配分の在り方の検討に当たっては、自己決定・自己責任の原則に基づく地方分権改革を実現可能なものにするための裏付けとして地方財政基盤の確立が不可欠であることから、地方公共団体の意見を十分に反映して、国から地方への税源移譲等による地方税財源の充実確保について積極的に取り組まれるよう強く期待する。
我々としても、これまでの地方分権の諸制度改革の成果を十分活かすとともに、住民の負託に応えられるよう行財政改革に積極的に取り組むなど行政体制の整備・確立を図り、個性豊かで活力に満ちた自主・自立の分権型地域社会の実現に向け、今後とも最大限努力していく所存である。
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