第29次地方制度調査会(会長:中村邦夫松下電器産業(株)代表取締役会長)は、9月12日第2回総会を開催し、委員として山本文男全国町村会長(福岡県添田町長)が出席しました。
山本会長は、基礎自治体のあり方や「市町村連合」の提案、税財源の充実などを訴えました。
山本会長は、まず、基礎自治体のあり方について、「基礎自治体とは何かということをきちんと議論すべき。」と発言、用語として定着しつつある「基礎自治体」の範囲や要件など、議論の前提条件としての共通理解が必要であるとの認識を示しました。
また、市町村合併については、「自治体数を1,000とする目標があるが、合併しても良いと思うようなものがなければ、合併は進まない、町村の数はそう変わるわけではない。」と述べ、一層の合併を進めようとする動きを牽制しました。
そして、「自治体同士が距離が離れている場合や、離島や辺地などは合併ができない。そのようなところでは、市町村連合というものを創設してはどうか。」と提案、全国町村会が平成15年に提唱した「市町村連合」の検討を求めました。その上で「町村は互いに共通する事務が多く、共同で事務処理する方が効率的」だとし、仮に合併を進めるのであれば段階を踏むべきであると強調しました。
さらに、「小さな自治体に力がないのは、財源がないから」と述べ、町村など小規模自治体への税財源の配分強化を求めました。この税財源の配分については、政令市、中核市、特例市など多層化した都市制度が配分の名目になっているとし、都市制度の統一が必要だと述べました。
このほか、税制法案成立時期の影響で自治体の税条例が年度末ギリギリとなり首長の専決処分となっている問題に関連し、「財政の問題で地方はいつも脇へ追いやられている。国と地方を分けるべきではない。」と述べ、毎年4月からの施行となる税条例の議会審議への配慮を求めました。
首長の多選制限については、「多選禁止には反対しないが住民の意思の尊重が重要」などと述べ、法令等による制限を先行させることへの懸念を示しました。
地方制度調査会は、今後、地方六団体、国会議員の委員を除く有識者らで構成される専門小委員会(小委員長・林宜嗣関西学院大学教授)を中心に議論を重ね、節目ごとに総会を開催、答申や意見をなどをまとめます。