総務大臣・地方六団体会合が6月10日に総務省において開催され、総務省からは新藤総務大臣をはじめ関口・上川副大臣、松本・伊藤政務官らが、 本会からは藤原会長(長野県町村会長・川上村長)が出席、骨太方針、地域の元気創造プランの全国展開、広域連携の推進、地方法人課税改革等について意見交換を行いました。
冒頭に新藤総務大臣から、①地域の元気創造本部における地域経済イノベーションサイクルの展開、②人口減少社会、少子高齢化に対応するため、自治体の連携協約、定住自立圏構想、 地方中枢拠点都市圏などの法改正を含めた整備、③地方分権の総括と展望など、地域活性化に向けた取組について、総務省に限らず政府内で横断的に、 そして重層・複合的にプロジェクトを集中できる仕組みを構築したことを紹介。併せて、法人税の実効税率引き下げについては、法人関係税収の6割は地方の財源となっており、 国のプライマリーバランスが改善しても地方が悪化したのでは意味がないので、国の方針は一致して推進していくものの、地方の財源に穴が空くようなことは絶対に受け入れられないと発言がありました。 また、地方の一般財源総額を確保すること、税収を安定的に偏在性のないものにするという方針を堅持した上で、どのような工夫ができるか、皆様ともご相談させていただきたいとの挨拶がありました。
冒頭に挨拶する新藤総務大臣
これを受けて地方六団体を代表して山田全国知事会長から、景気回復の進展に伴い、今、地方では人手不足の問題が顕在化し、少子化の問題がそれを助長しているが、 昨年出来た少子化対策の交付金はわずか30億円と、この問題の深刻さを理解していない。日本全体が取り返しのつかない危機に瀕しているということを共通認識として、そこから地方分権、 地方自治というものを行っていかなければならない。また、税制の問題については、競争力の回復というのは地域の将来にとって大変重要なことではあるが、その際、地方の財源が失われるようなことがあれば、 日本の競争力が高まるとは思えない。地域の競争力と国際的な競争力をバランスを取りながら高めていき、地方の財政的立場、暮らしを守る立場を守れるのは総務大臣の手腕にかかっているので、 よろしくお願いしたいとの挨拶がありました。
次に、自治財政局長から「経済財政運営と改革の基本方針2014(仮称)」骨子案について説明がありました。
その後の意見交換で、藤原会長は、地方自治というのは、いろいろな制度を使いながら、モノやサービスに変えていくことが仕事であり、その財政基盤がしっかりしていなければ何も出来ないと述べた上で、 その強化のため、引き続き「歳出特別枠」や「別枠加算」を堅持し、必要な地方交付税総額を安定的に確保するよう意見を述べた。併せて①法人実効税率の検討に当たっては、 あくまで法人課税の枠組みの中で所要の地方税財源を確保し、地方の歳入に影響がないよう特段の配慮をすること、②人口減少問題への取り組みについて、 国全体として、地域の若者や女性の雇用環境の改善や子育て環境の改善等、実効性ある対策を強力に推進すること、③地方中枢拠点都市圏の形成等の施策の推進については、 同時に周辺町村の過疎対策等にも十分配慮する等、地域全体の底上げが行われるように支援するよう意見を述べました。全国の町村長は、人口は少なくても、最低限、 現状の社会基盤をしっかり維持していきたいと思っており、農山漁村でも安心して幸せな生活が出来るよう政策を組み立て、実施していくよう訴えました。
本会から出席した藤原会長
最後に新藤総務大臣から、いただいた様々な意見について出来る限り受け止め、その具現化について一つひとつ丁寧に作業していくので、今後もさらに提言いただきたい。 今年は重要な施策の決定がなされると思うが、しっかりと取り組んでいくのでよろしくお願いするとの発言がありました。